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日本vsシリア 試合前日のハリルホジッチ監督会見要旨

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 日本代表は28日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、29日のW杯アジア2次予選・シリア戦に向けて最終調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

以下、ハリルホジッチ監督の会見要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督
「我々の決勝戦だと思っている。このグループで一番強いチーム同士が対戦する。ファイナルということは、勝たないといけないということだ。簡単な試合ではない。間違いなく得点率の高いチームと対戦する。リアリストなチームだ。何かを成し遂げるために日本に来ると思う。彼らの誘いに乗らないようにしないといけない。彼らはリズムを壊しにくる。そういう罠にかからないようにしないといけない。シミュレーションもしてくるだろうし、演技もしてくるだろう。レフェリーがそういうシチュエーションを理解してくれることを望んでいる。そういうことがフラストレーションにならないようにしたい。我々もこのようなことをコントロールしないといけない。選手にも警告した。真剣に真面目に準備しようと。昨日はかなり良いトレーニングができた。最終戦に向けた準備ができていると思う」

―明日の試合のテーマは?
「勝つということが大前提だが、他の目的ももちろんある。あまりしゃべりたくはないが、失点しないことは目的の一つになる。勝利が大前提で、美しく終わることが大事だ。つまり2次予選のグループ1位が大前提で、その次を考えないといけない。国内で2試合連続で試合をするが、2試合連続で勝つことは簡単ではない。少し引っかかってほしくない罠も小さいものがある。しかし、私が楽観的でいられるのは、昨日のトレーニングで選手たちが丁寧さと強度を見せてくれたからだ。昨日のようなトレーニングを明日の試合で出してくれれば、私は楽観的でいられると思う。

 もう一度言うが、罠に引っかからないように、シミュレーションに引っかからないように、そして無駄なファウルをしないようにしないといけない。相手のキーパーは必ず演技をしてくる。リズムを壊しにくる。その準備をしないといけない。罠もあり、クオリティーもあるチームだ。我々より得点能力は高い。我々より得点を多く取っているからだ。リスペクトして戦わないといけない」

―中盤をダイヤモンド型にした4-4-2にどのようなメリットがあるのか? 将来的に採用する可能性は?
「各オーガナイズに長所と短所がある。それはどのような選手を使うかによって決まる。人々を楽しませるために新しいオーガナイズを試したわけではない。何人かの選手を試したい、何人かの選手を疲労回復させたいという状況があったからだ。これまではずっと3トップでやっていたが、前回は2トップにした。我々のグループにいる選手を使って、いろんなリスクも取りながら、真ん中の選手がどんな組み合わせになるかをトライした。しかし、どのようなシステムであっても時間が必要だ。良いものもたくさん見られた。4-4-2のシステムでは、近くにいる2人の距離の関係が真ん中でもサイドでも大事になる。それをホワイトボードで書くのは簡単だ。明日はまた変更がある。もしかしたら新しいオーガナイズをまた見せるかもしれないが、我々の受け持っている選手の長所を使ってオーガナイズをつくっているということだ」

―日本人の自ら考えて判断する部分をどう評価しているか?
「グラウンド上で彼らとトレーニングしているが、ホテル内でもディスカッションを重ねている。選手同士も彼ら同士でミーティングを開いている。私はこのプロジェクトのビジョンを彼らに伝えている。日本のチームが何を向上させるべきか。現代フットボールが何を要求しているかについても話している。私は1年かけてここにいるが、たくさんのことに期待している。いくつかのことは変化させてほしい。一つの例だが、Jリーグを見ていると、PKが少ない。PKが存在してないかのような現象がある。それはなぜか。変わらないといけないことの一つの例だ。バルセロナはここ10試合で10回のPKをもらっている。私はJリーグを50試合以上視察したが、PKが何回あったか。それが日本のチームのイメージになっているのではないか。前回の試合はかなり支配したが、FKが効果的に直接決まったものはない。

 そういったことも踏まえて彼らに話している。深いところまで彼らには求めている。リスペクト、伝統もいいが、相手が我々を叩いてきたら、そこで謝る必要はない。ストップと言わないといけない。次はノーだよと。俺も殴る可能性があるよと。勇気を見せないといけない。いつも受けるのではない。守備も一緒だ。いつも下がりながらのディフェンスではダメだ。前に行きながら奪わないといけない。行くぞ、高い位置で奪うぞ。これがレボリューションだ。

 もし昨日の紅白戦をみなさんも見ていたら、私はうれしかった。10分2本やったが、かなり高いレベルのゲームを見せてくれた。アグレッシブさ、素早さ、予測、プレーのスピード。少しゴールを仕留めるところはまだ修正の余地があるが、みなさんが思っているよりも難しいプロジェクトを我々はやろうとしている。本当にたくさん会話をしている。私はずっと彼らとしゃべっている。選手の意見も欲しい。もっとコミュニケーションも取ってほしい。ボールを出すときには絶対にしゃべらないといけないはずだ。すぐに話せるようにはならない。少しずつ少しずつだ。私は道が分かっている。

 彼らはかなり受け取ってくれている。素晴らしい人間たちだ。文化、伝統のおかげでここまで出来上がった。今度は現代フットボールに適応して、戦う選手にならないといけない。優しさは必要だが、戦いにはアグレッシブさがある。ラグビーの日本代表が何をしたか。いろんなことを発展させて成功した。5、6か月の連続した合宿期間があったからだが、私にもその時間があればラグビーのような結果を出せると思う。しかし、今のところは2、3回のトレーニングしかできないので、しゃべることがメインになる。この合宿のあと、私は10日間はまったくしゃべれないだろう。合宿でしゃべりすぎたからだ。

 選手は意見を言うようになってきた。これはどうなのか、こうしたほうがいいのではないか。長谷部もそうだ。これも発展だ。私は発展させる方法をパーフェクトに把握している。国内組と海外組の差がまだある。それを話さないといけない。もっと野心を持ってくれと言わないといけない。パーソナリティー、性格を変えないといけない。人間性は素晴らしい。これからは戦う選手にならないといけない。テニスの錦織のように一人でやるスポーツではない。コンタクトの戦いがあるのがフットボール」

―真剣な紅白戦を報道陣やファンに見せることはできるか?
「今は10分2本が限界だが、強度は本当にハイレベルだった。ものすごく驚いた。宇佐美がハーフナーに激しいタックルをしていた。リーグ戦ではそんな姿を一回も見たことがない。センターバックのようなタックルを宇佐美がしていた。動きのクオリティーも高かった。我々は身長は高くないが、小さい選手が動いて速いパス回しをする。ずっと見ていたい試合だった。しかし、まだ90分続ける準備はできていない。選手には『このプレーをやってくれ』『これだけをやってくれ』と伝えた。

 みなさんに見る資格があれば見せたいが、戦術の練習ができたのは昨日だけだった。観客にいろんなことを見せたり、そういう人たちが周りにいると、いろんなリスペクトをしないといけなくなる。私はトレーニング中、叫んでいろんなことを言ってしまうので、みなさんに『監督は批判ばかりしている』と書かれてしまう。お互いを理解して、みなさんのことをもう少し信頼できるようになったら考えたい。私は歌手ではないが、もう声がやばい。選手と仕事するのは本当に楽しい。素晴らしい人間ばかりで、グラウンド外は本当に素晴らしいので、グラウンドでもっとコミュニケーションを取ってほしい。特に試合中だ。90分、93分ぐらい。人間性は変わらなくていいと思う。それが理想だ」

(取材・文 西山紘平)

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