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5発大勝のハリルJ、2次予選全8試合完封で首位通過

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[3.29 W杯アジア2次予選 日本5-0シリア 埼玉]

 日本代表は29日、W杯アジア2次予選の最終戦でシリア代表と対戦し、5-0の完封勝利をおさめた。前半17分にオウンゴールで先制すると、後半21分にはMF香川真司が鮮やかな左足ボレーで追加点。後半41分にFW本田圭佑がダメを押すと、さらに2点を加点し、守備陣も2次予選8試合連続の無失点に抑えた。すでに2次予選突破は確定していたが、7勝1分の勝ち点22に伸ばし、E組首位での最終予選進出を決めた。

 24日のアフガニスタン戦(5-0)では4-4-2を採用した日本だが、この日は従来の4-3-3でスタート。ゲームキャプテンはこの日、史上5人目の国際Aマッチ100試合出場を達成したFW岡崎慎司。昨年11月17日のカンボシア戦(2-0)でもキャプテンマークを巻いた岡崎だが、MF長谷部誠も先発した試合でゲームキャプテンを務めるのは初めてだった。[スタメン&布陣はコチラ]

 立ち上がりからボールを支配し、シリアを押し込む日本は前半8分、DF吉田麻也のロングフィードを受けたDF酒井高徳が右サイドのタッチライン際でキープ。近寄ってきた香川とのワンツーから長谷部につなぐと、PA内右深い位置まで切れ込んだ長谷部がマイナスに折り返したが、岡崎のシュートはミートせず、ゴール左に外れた。

 先制点はラッキーな形で生まれる。前半17分、左CKからFW宇佐美貴史がショートコーナーでつなぎ、香川が左クロス。GKイブラヒム・アルメがパンチングしたボールは目の前のDFハムディ・アルマッスリの顔面に当たって跳ね返り、そのままゴールネットに吸い込まれた。

 オウンゴールで先制した日本はその後も立て続けに決定機をつくる。前半21分、酒井高のアーリークロスをPA内右で胸トラップした香川が折り返し、岡崎がオーバーヘッド気味に右足ボレーを放ったが、クロスバーの上へ。同26分には岡崎と本田のパス交換の間にオーバーラップしてきた酒井高がPA内に進入。本田から絶妙なラストパスを受けた酒井高は左足でファーサイドへ狙い澄ましたシュートを打ったが、わずかにゴール左へ外れた。

 再三の好機を生かせない日本。前半27分、宇佐美からパスを受けたDF長友佑都の左クロスに合わせた香川のシュートもGKの好セーブに阻まれ、同32分には宇佐美の右足ミドルがGKの正面を突く。なかなか2点目を奪えず、何度かカウンターでピンチを招く場面もあった。前半43分には宇佐美からの浮き球のパスに反応した本田がPA内左から折り返し、ゴール正面に走り込んだ香川が左足でボレーシュート。決定的な形だったが、シュートはGKに当ててしまい、前半は1-0のまま折り返した。

 後半も試合の流れは変わらない。後半9分、岡崎の右クロスに本田がフリーで合わせたが、ヘディングシュートはクロスバーの上へ。すると同10分にアクシデントが日本を襲う。MF山口蛍がMFハレド・アルムバイドと競り合った際に激しく交錯。相手の頭が顔面に入って鼻から激しく出血し、そのまま担架で運び出された。

 山口は後半13分にMF原口元気と交代。原口はそのままボランチの位置に入った。後半16分、セットプレーの流れからDF森重真人の左クロスにファーサイドで合わせた本田のヘディングシュートが左ポストに阻まれると、シリアも同17分にMFマハムード・アルマワスの右足ミドルが左ポストを直撃。同20分には長谷部のパスミスを奪ったFWオマル・ハルビンが決定的なシュートを打ったが、GK西川周作が鋭い反応で弾き出した。

 ピンチの連続にヒヤリとさせられた日本だが、後半21分、待望の追加点を奪う。宇佐美がゴール前に入れた浮き球のボールをシリアDFがクリアし切れず、本田がすぐ横の香川にラストパス。香川は胸トラップから素早く反転し、左足のボレーシュートをゴール右隅に突き刺した。

 香川は昨年9月8日のアフガニスタン戦(6-0)以来となる国際Aマッチ24ゴール目。MF中村俊輔(横浜FM)と並び、歴代8位タイとなった。後半29分には長友のミドルシュートをGKが弾いたところに岡崎が詰め、ゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定。あと2点で国際Aマッチ通算50ゴールとなる岡崎だが、100キャップの節目の一戦でゴールを決めることはできず、後半33分にFW金崎夢生と交代した。

 後半38分のピンチには吉田、長谷部が体を張ってシュートブロック。同41分の決定機も西川がファインセーブを見せ、ゴールを死守した。後半40分、宇佐美との交代でMF清武弘嗣が入ると、直後の41分、カウンターから清武が持ち上がり、左サイドの香川に展開。香川は右足に持ち直してファーサイドにクロスを送ると、本田がヘディングでゴールネットを揺らし、3-0と試合を決定づけた。

 後半45分には香川がダメ押しの4点目。香川は2ゴール1アシストを含め、4得点に絡む活躍となり、後半アディショナルタイムには長友の左クロスに原口が頭で合わせ、5-0のゴールラッシュを締めくくった。守備陣も最後まで集中力を切らさず、2次予選全8試合完封を達成。今秋に始まる最終予選に弾みをつけた。

(取材・文 西山紘平)

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