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1得点の“破天荒ボランチ”原口に香川から「もっとボランチの勉強を…」と助言も

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[3.29 W杯アジア2次予選 日本5-0シリア 埼玉]

 ダイヤモンド型の中盤の右サイドで先発し、無難なプレーを見せた24日のアフガニスタン戦(5-0)後、「俺らは先輩を超えていかなければいけない立場。まあまあでは終わりたくない。次の試合では何か起こす」とギラギラ感を出していたMF原口元気(ヘルタ・ベルリン)が、“宣言”どおりに魅せた。

 MF山口蛍の負傷により、後半13分に急きょ巡ってきた途中出場のチャンス。ボランチの位置に入った原口は果敢なタックルを連発し、球際での闘争心をアピールしながら攻撃に転じる機会をうかがった。

 MF香川真司の追加点で2-0と差を広げたあとの後半37分、中央からボールを持ちながら左にいったん開き、中に切れ込んでの右足シュート。力づくで得意な形に持ち込んだシュートは枠を大きく外れたが、原口のテンションに影響はなかった。

 4-0で後半アディショナルタイムに突入し、勝利が確実になると、怒濤の攻撃心を振り絞って長い距離を走り、DF長友佑都のクロスに頭を合わせた。意地のダメ押し弾だった。

「出ていた30分間はずっと心拍数が180くらいでプレーしていて、乳酸がたまってきつかった。それでも最後に走っていけるのが今の自分の強み。そこが結果に結びついたのが一番うれしかった。やっぱり無難にやっていたらだれが出ても同じになる」

 決意どおりに有言実行したことに対しては自分自身を評価した原口だが、ボランチとしては守備の課題が浮き彫りになったことも自覚していた。

 1点を返そうとするシリアが前がかりに攻めてきた状況で、「僕が結構前に、バランスとかを見ずに行ってしまった。その分、後半の最後の20、30分で点を取れたのは良かったけど、守備のバランスはちょっと考えないといけない」と反省。香川からも「もう少しボランチの勉強をしないといけない」と言われたという。

 それでも初志貫徹できたことは今後への弾みになるだろう。「僕らの立場ではこれを何試合もやっていかないと(先輩に)追いつけない。上に行きたければこういうのを当たり前にやらないと」。ある種、破天荒な部分も指揮官の好みなのだろう。原口は少しずつ前進している。

(取材・文 矢内由美子)

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