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[UEFA Young Champions]世界切符懸けて熱戦繰り広げた16校、体幹力向上の術など知識も学ぶ大会に

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 4月4日と5日の両日、adidas UEFA Young Champions 2016日本代表選抜大会が静岡県裾野市の時之栖スポーツセンターうさぎ島グラウンドで開催された。流通経済大柏高(千葉)の優勝に貢献して大会MVPに輝いたFW池田啓利が「自分は結構アディダス好きなので。世界大会行きの切符もかかっていたので気合入っていました」と振り返ったノックアウト方式のトーナメント戦。参加16チームが欧州CL決勝開催地であるミラノ(イタリア)で行われる世界大会、adidas UEFA Young Champions 2016出場権やアディダス本社(ドイツ本社)への招待、世界大会着用ユニホームの提供、欧州CL2015-2016決勝戦観戦チケットの提供等を懸けて熱戦を繰り広げたが、選手たちにとっては実戦による経験、チーム力強化以外の面でも多くのことを学ぶ大会となった。

 4日夜、そして5日の試合間にはテニスのクルム伊達公子、卓球の福原愛、そして箱根駅伝王者である青山学院大学駅伝チームなどのトップアスリートからの熱い信頼を得ているスポーツトレーナー、中野ジェームズ修一氏によるフィジカルトレーニングが実施された。4日には「補強トレーニングの必要性とパフォーマンスの向上・ケガを予防するためには」というテーマで約80分間の講義が行われ、選手たちは人間の身体はどうやってバランスを取っているのかを理解しながら、正しい体幹力、筋肉のラインを身につけることでパフォーマンスが変わることを学んだ。

 ピッチでのプレーを見た中野氏から「もったいない」「身体の使い方が上手くない」と指摘された選手たち。講義では単一の筋力トレーニングはかえってパフォーマンスを落とす可能性があること、バランスの良い筋トレ、バランスの悪い筋トレがあること、またケガをなくすためには身体のバランスを良くすることなどを学び、熱心にメモを取る選手もいた。翌日には練習会場で講習会の実践編が実施され、現在よりも、よりパフォーマンスを向上させたい選手たちは前日の講習によって知識を得ていた多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群といった「インナーユニット」と呼ばれる部位の強化方法などを真剣な表情で学んでいた。

 また大会会場では3Dで足の形状や重心移動を分析し、最適なシューズを提案する「フットスキャンサービス」(アディダス社が直営店に導入し始めた最適なシューズ選びのための最新技術)や3月にニューカラーが発売されたアディダス製スパイク「X/ACE」の試し履きも実施され、選手はより自分の力を発揮するための“武器”を選ぶ貴重な機会を得ていた。特に試し履きでは参加した選手の3分の1近くに当たる100人ほどの選手が「X/ACE」をテスト。「ACE」のプライムニットは「足首のホールド感を嫌がる選手がいない」というほど特に人気で、ホワイトカラーの「X」を「格好いい」「履きやすい」と手にする選手たちも多かった。

 参加選手たちは強化試合以上の“収穫”を得た大会に。優勝した流経大柏のCB坂下景太主将は「来るまでこんなすごい大会だとは知らなかったですし、びっくりした。こういう中でやるのは初の経験だったので学ぶことができたと思います」。世界切符を懸けた真剣勝負であり、また強豪同士が激突する春の強化大会でもあったadidas UEFA Young Champions 2016日本代表選抜大会。選手たちは将来へ向けた知識も得て2日間の大会を終えた。

(取材・文 吉田太郎)

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