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[MOM1754]G大阪ユースFW食野亮太郎(3年)_「自分のところで負けたらチームも・・・」強い責任感持つエース

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.9 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 G大阪ユース 2-0 大津高 万博]

 好パスで先制点の起点となり、後半には勝敗の行方を決定づけるゴールも決めた。エースとしての仕事を果たしたが、本人は納得していなかった。ガンバ大阪ユースの10番FW食野亮太郎主将(3年)は「去年も開幕戦は経験していた。(今年は主軸として)自分の責任感が生まれているし、緊張感が半端なかったんですけど、1プレー目でいいプレーができたんで波に乗れて結果的に点も取れたんで良かった」とホッとした表情を見せつつ、エースの役割を果たしたのではという問いに対しては「前半にも決定的なパス(を受けるシーン)もあったし、ああいうところを決めないと。後半戦厳しい戦いになると、勝ち点1がゼロになったりする。こだわっていかないといけない」と否定し、より結果を出すことを誓っていた。

 それでも存在感ある90分間だった。まずは前半4分、中央でDFを引きつけて左足で右サイドへ展開。狭いスペースを通したパスで先制点の起点となると、その後はテクニカルなドリブルと高いキープ力を発揮する。大津高の厳しいチェックの中でもボールの収まりどころとなって相手の勢いを削いだ食野は、後半27分にゴールも奪う。MF西田一翔からのパスを左中間で受けた背番号10は、中央への動きでDFを外してから右足シュートをゴールへ流しこんだ。

「身体を活かしたドリブルとかは自分の長所。そこで貢献できたらいいと思うし、自分のところで負けたらチームも負けちゃうという責任感を持っている」。昨年から出場機会を得てプレミアリーグWEST優勝にも貢献した。今年は昨年の経験者が少ないだけに、主将で10番のFWはチームを引っ張る意気込みでいる。

 今年就任した元日本代表主将の宮本恒靖新監督から特に学んだことは、パワーの使いどころとリーダーシップについてだ。「チームが始まった時は自分、ハーフウェーラインくらいからドリブルを開始することが多かったんですけど、ツネさんに自分の長所であるドリブルやシュートを活かすために真ん中のところでもっと簡単にしたほうがいいと言われていた」。得意のドリブルをゴール前で活用すること。それが自身のためにも、チームのためにもなる。この日はゴールシーンでテクニックも発揮したが、本人はゴール前でより多く力を発揮するつもりでいる。「もうちょい。パスはいい感じで出せたんですけど、もっとドリブルでゴール前に侵入していければチャンスの場面も増えてくる。やっていきたい」。

 また今年、宮本新監督からキャプテンを託された食野はチームメートへの声の掛け方、表現の仕方の大切さも学んだ。「自分、性格上短気なんでイライラしてしまう部分があってガッと言っちゃう部分がある」と自己分析。それでも「表現の仕方でオマエに人がついてくる。言い方とか考えた方がいい」とアドバイスされ、意識を変えた。今年は将来のためにも大切な一年。中学1年時からともにプレーし、一足早くトップチームへ昇格したMF堂安律と同じステージに立つためにも、今年、エースとして、チームリーダーとして成長を遂げる。 

(取材・文 吉田太郎)
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