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[プレミアリーグWEST]重苦しい展開打破する10番FW山根の一撃!広島ユースが1点勝負制す!

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[4.10 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 京都U-18 0-1 広島ユース 万博]

 高校年代最高峰のリーグ戦である「高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグWEST」は10日、第1節2日目を行い、京都サンガF.C.U-18(京都)とサンフレッチェ広島ユース(広島)との一戦は10番FW山根永遠(3年)の決勝点によって1-0で広島が勝利。4年ぶりの優勝へ向けて白星スタートを切った。

 プレミアリーグWESTの開幕節では唯一、11年のリーグスタート時から参戦しているチーム同士によるカード。互いに隙を見せず、1点勝負となったゲームは広島が制した。後半24分、広島はMF川村拓夢(2年)が右サイドのスペースへ展開。これをMF川井歩(2年)が右足でクロスを入れると中央に入り込んだ山根が頭で京都ゴールを破った。「もちろん優勝を狙っていますし、自分も去年の加藤陸次樹選手みたいに得点王を狙っています」という10番の一撃。殊勲のゴールを決めた山根は「練習から川井選手は良いボールを上げていました。(京都の)CBが自分を見ていなくてボールばっかり見ていたので、上手く剥がして、あとは良いボールが上がってきたので流しこむだけでした。(大阪まで)来ていない人たちに3点取って帰ってくると言っていたんですけど(苦笑)。始まる前から点取ろうと思っていたので良かった」と表情を緩めた。

 互いに差をつけることが難しいゲームだった。立ち上がり、ロングボールを上手く活用した広島は入り良くスタート。その後は3バックの中央に入った仙波大志(2年)、MF力安祥伍(3年)、川村を中心にポゼッションしてボールを進めようとするが、相手のプレッシャーと天然芝のピッチで思い切り良くスピードあるパスを配球することができず、またミスも出て後ろが重くなり、京都に押し込まれてしまう。京都はアタッキングサードからMF田中康介主将(3年)やMF島村拓弥(3年)、FW三田尻和哉(3年)が仕掛けてシュート。18分には前線のターゲットとなったFW赤間勇斗(3年)が鮮やかなコントロールから左足を振りぬいたほか、CB麻田将吾(3年)の左足フィードも活用してサイド攻撃を展開する。

 広島もFW明比友宏(2年)の落としから山根が放った一撃がゴールマウスを弾くシーンもあった。だが、スペースを狙ったパスは京都DF陣がほぼ完璧に対応。左サイドを山根が抜け出そうとしたシーンも麻田のタックルによってストップされてしまう。43分には押し込みながら試合を進めた京都にビッグチャンス。右サイドから島村が斜めに出したラストパスに反応した三田尻が抜け出してコントロールから右足を振りぬく。広島はU-19日本代表候補GK大迫敬介(2年)が阻止したものの、危ない場面をつくられた。

 それでも広島は後半に巻き返す。3分、右CKからニアの明比が決定的ヘッド。焦れずに中央、サイドへとボールを動かし続けた広島は京都守備陣のわずかな乱れを突いて山根が先制ヘッドを決めた。広島・沢田謙太郎監督は「途中押し込められて、このまま終わっちゃいかんと思いながら、そうしたら後半ちょっと盛り返して、落ち着けたし、力を出せて嬉しかったですね」。終盤には交代カードで活性化した京都にチャンスを作られたが、広島は世代を代表する守護神・大迫をはじめ、沢田監督が「敬介だけじゃ守れない。全員で守ること、全員でシュート打たせないようにしようとか、敬介が出て行ったところでカバー入るところまでやってきた。少しずつできてきていると思う」と評したように、東野広太郎(2年)と里岡龍斗(2年)、仙波の3バック中心に全員で守りぬいた。10年から12年から高円宮杯3連覇(10年は全日本ユース選手権制覇。11年、12年はチャンピオンシップ優勝)している広島が復権への第一歩を白星で踏み出した。

[写真]後半24分、広島ユースは10番FW山根のゴールで先制

(取材・文 吉田太郎)
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