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[MOM1756]広島ユースMF仙波大志(2年)_登録164cmの小柄なリベロ、“代役”に収まらないプレーで勝利導く

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.10 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 京都U-18 0-1 広島ユース 万博]

 ケガで開幕戦を欠場したDFイヨハ理ヘンリー主将にかわってサンフレッチェ広島ユースの3バックの中央でプレーした15年U-16日本代表MF仙波大志(2年)が、“代役”に収まらないプレーで1-0勝利に貢献した。
 
 181cmの長身DFであるイヨハと違い、仙波はドリブルを得意とする登録164cmの小柄なゲームメーカー。3-6-1システムのシャドーやボランチでプレーしてきたMFだが、沢田謙太郎監督は「ちっちゃいけれど身体能力、ヘディングがある。元々あそこでやらせたいなと思っていた」という。その仙波はマイボールになると、ほぼ全ての攻撃でボールに関わり、パス交換で相手のプレスを剥がし、また相手2選手の間をドリブルで抜け出してボールを運ぼうとするシーンもあった。ミスもあったが、最終ラインの司令塔として君臨。また、守備面ではロングボールに対して飛び出して来ようとするU-17日本代表GK大迫敬介を声で制して頭でクリアし、背後へのボールの処理も無難にこなしてカバーリング面でも力を発揮していた。

「ヘンリーくんが出れない分、頑張ろうと思ったんですけど、(同時に)ヘンリーくんの代わりじゃないと思いながらやっていました」と仙波。「ヘディングとかヘンリーくんの方が強いですけど、裏走られた時に付いていくスピードだったり、インターセプトは自分なりにできたと思います。(同じ2年生の)大迫と声かけながらやれたのは良かった。後ろからの組み立てで取られないで前に運べるところとか、ロングボールで相手の裏を取れたりビルドアップのところは良さだと思います」。その持ち味を発揮。完封勝利で期待に応えた。

 沢田監督はトップチームで躍動する19歳、MF宮原和也にその姿を重ねる。宮原も172cmと決して長身ではないが、本職のボランチに加えて3バックでも質の高いプレーをするユーティリティープレーヤー。「パスのミスがある部分とか守備のところの読みとか高めないといけない」と条件を加えながらも、身体の強さとテクニック、そして複数のポジションで勝利に貢献する仙波がより成長を遂げて、宮原のように上のステージで活躍することを期待した。

 仙波は広島ジュニアユース時代には司令塔としてJFAプレミアカップで全国優勝に貢献し、MVPも獲得している実力派。年代別日本代表にも選出されてきたMFは「去年も経験させてもらってプレミアの感じは分かっているし、きょうの開幕とか経験したので緊張とかしなくなったので自分も引っ張って、勝ちにこだわっていきたい」。中盤、最終ライン、どのポジションでも変わらぬ力を発揮してプレミア制覇を目指す広島ユースに白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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