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[プレミアリーグEAST]青森山田守備陣の粘り際立つ、流経大柏をシュート1本に封じて3-0完勝!

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[4.10 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 流通経済大柏高 0-3 青森山田高 味スタ西]

 流通経済大柏高(千葉)と青森山田高(青森)。高校サッカー界を代表する2校が高円宮杯プレミアリーグEASTの開幕戦で激突となった。奇しくも、1年前の開幕戦と同会場・同カードでの試合。当時は1-2と苦杯をなめていた流経大柏にとってリベンジマッチだったが、結果は無情にも0-3。「出来過ぎだったよ」と青森山田・黒田剛監督がニコリと笑う、そんなゲームとなった。

 前半から青森山田が優勢の流れだった。プレッシングが持ち味の相手に対し、アンカーの住永翔主将を中心としたパスワークでこの圧力を巧みに回避。16分に嵯峨理久のアシストからFW鳴海彰人が絶妙なファーストタッチからのゴールを奪ったことで、「(開幕の)プレッシャーはあった」(住永)という心理面の負担から解放されたことも大きかった。パスでビルドアップするところと、U-19日本代表GK廣末陸のロングキックで一気に相手のプレスを外してしまうところを使い分け、“流経らしさ”を発揮させない流れに持ち込んでいった。

 後半に入って流経大柏が選手交代を重ねて攻勢を強める中、青森山田守備陣の粘りも際だった。昨季のレギュラー全員が卒業となり、黒田監督が「不安視していた」と率直に認めていたディフェンスラインはしかし、「本当によくやってくれた」と指揮官から称賛の言葉を引き出すパフォーマンス。最後尾の廣末も「DF陣にはすごく助けられた。特に(CBの)橋本恭輔がビックリするくらい良かった」と冗談めかして絶賛する仕事ぶりだった。

 後半32分には、やや劣勢になりつつあった流れを「10番」が吹き飛ばす。高い位置でのボール奪取から最後は左足での強烈なシュートを突き刺したのは、MF高橋壱晟。「あの時間帯は守備に追われてキツくなっていた」中での値千金の一撃は、まさにエースナンバーを背負う選手の仕事だった。45分にはその高橋のPKが防がれたこぼれ球に交代出場のMF佐々木友が詰めて、3-0。強豪の流経大柏をシュート1本に抑え込む完勝で、昨季2位の青森山田が初優勝に向かって走り出した。

 敗れた流経大柏・本田裕一郎監督は「チームの問題なのか、個人の問題なのか。きちんと考えないといけない」と渋い表情を浮かべつつ、「リーグ戦はスタートが大事。連敗しないようにしたい」と、FC東京U-18との第2節へ気持ちを切り替えていた。

[写真]後半32分、MF高橋のゴールを喜ぶ青森山田イレブン

(取材・文 川端暁彦)
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