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[MOM1758]柏U-18GK猿田遥己(2年)_好守連発!189cmGKが踏み出した「太陽王の守護神」への第一歩

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.10 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 柏U-18 1-1 横浜FMユース 味スタ西]

 スタンドを何度沸かせたことだろう。「あのGKは誰だ?」。ハーフタイムには、そんな会話を交わす関係者の言葉も聞こえてきた。高円宮杯プレミアリーグEAST開幕戦。横浜F・マリノスユースの前に、柏レイソルU-18の守護神・猿田遥己が立ちふさがった。

 この試合で横浜FMが勝ち切れなかった原因を「決定力不足」と分析する人もいるかもしれない。ただ、「猿田が止めた」と言うほうがナチュラルな表現だろう。前半から強烈なミドルシュートやFKからのクリーンヒットしたヘディングを防いでチームを救い、後半の決定機も阻止。189cmの身長以上に大きく見える抜群の存在感で、ゴールにカギをかけ続けた。

 永井俊太監督は「もうビックリしましたよ!」と猿田のビッグセーブを振り返りつつ、「いつも頑張っている選手はこういうことができる」と絶賛した。監督が「ビックリした」のは何も実力を軽視していたからではない。実は小指を骨折し、開幕戦の出場が危ぶまれた状態だったからだ。「けが明けで、ちょっとどうなるかと思っていた」と言う指揮官は、しかし練習での様子も加味して先発起用。それに応えての大活躍だった。

「去年は試合に全然出られなかったので、この開幕戦への思いが強かった」という本人は、この一戦を目指してひたすら調整を続けてきた。負担の小さいバレーボールを使ったトレーニングに始まり、2週間前からようやく本格復帰。井上敬太GKコーチの熱い指導を受けながら、この日のために心身両面を整えた。

 もっとも、自身のパフォーマンスには「PKを触ったのに、決められてしまった」と納得していない。あくまでGKとしての目標は無失点だからだ。理想とするGKは「シュテーゲン、ブラーボ、ノイアーの3人の良いところを合わせた選手」という究極の守護神。横河武蔵野FCジュニアユースから柏U-18に加入した当初は、ロングキックを求められた前チームのスタイルと徹底して足元のつなぎを求められる現チームのスタイルの違いに戸惑いもあったようだが、すっかり柏のスタイルにも適応。猿田遥己が待ちに待った開幕戦で「太陽王の守護神」への第一歩を踏み出した。

(取材・文 川端暁彦)
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