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憲剛の最新本を立ち読み!「史上最高の中村憲剛」(3/20)

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 川崎フロンターレのMF中村憲剛の南アフリカ・ワールドカップから現在までの5年半を描いた『残心』(飯尾篤史著、講談社刊)が明日16日に発売となる。発刊記念として、ゲキサカ読者だけに書籍の一部を公開! 発売前日の15日から20日間、毎朝7時30分に掲載していく。

浴びせられた厳しい質問<上>

 リーグ戦3分け2敗で迎えた4月13日、第6節の横浜F・マリノス

 日産スタジアムで行われた“神奈川ダービー”は前半45分、中村俊輔のニアサイドを突くコーナーキックに富澤清太郎がヘディングシュートを炸裂させ、F・マリノスが先制した。

 フロンターレも後半21分、レナトのコーナーキックにファーサイドで田中裕介がこれも頭で合わせ、同点に追いついた。田中にとっては古巣から奪ったうれしいゴールだった。

 ところが、終了間際の44分、再び俊輔のコーナーキックがゴールのニアサイドを襲う。ゴールキーパー杉山力裕が懸命に跳ね返したが、クリアボールを端戸仁にダイレクトで蹴り込まれ、決勝ゴールを許してしまう。

 スコアは1-2。僅差での敗戦だったが、内容を見れば完敗だった。

 足もとへのパスが狙われ、何度もインターセプトを許すうち、ディフェンスラインから丁寧につなぐことを怖がるようになる。ロングボールを蹴ることで、マイボールをみすみす相手に渡してしまった。後半に入ると憲剛の運動量も少しずつ落ちていき、敵のプレスの標的になった。

 この敗戦でフロンターレはリーグ戦6試合未勝利となり、順位はJ2降格圏内目前の15位に低迷していた。

「これだけ勝てないと、外から進退を問われると思いますが、そのあたりについては、いかがお考えでしょうか」

 試合後の監督会見で、一般紙の記者から厳しい質問が飛んだ。

 壇上に座る監督の風間八宏が、表情を変えずに答える。

「僕の仕事は選手とともに前を向いてやっていくことだけで、僕が決めることではないですから。自分の仕事をまっとうしていきたいと思います」

 会見ルームでそんなやり取りがあってからしばらくした頃、取材エリアでは憲剛が大勢の記者に囲まれていた。


<書籍概要>

■書名:残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日
■著者:飯尾篤史
■発行日:2016年4月16日(土)
■版型:四六判・324ページ
■価格:1500円(税別)
■発行元:講談社
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○第2回 待望のストライカー、加入<下>

○第1回 待望のストライカー、加入<上>

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