[4.16 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 横浜FMユース 1-2 市立船橋高 日産フィールド小机]

　市立船橋高は貴重なバランサー役を担うMFが主役級の活躍を見せた。0-0の後半8分、市立船橋は右クロスをファーサイドのFW村上弘有(3年)が頭で折り返す。これを受けたMF西羽拓(3年)が絶妙なターンでDF2人を外すと、そのまま左足シュート。気持ちでねじ込んだ一撃がゴールネットを揺らした。さらに後半23分には右CKをCB原輝綺(3年)が競り勝ち、最後はファーサイドの西羽が「来るかなと予測していた」とゴールへプッシュ。チームを勝利へ導く2得点だった。

　マン・オブ・ザ・マッチは試合の流れを大きく変えた村上に譲る形となったが、前半からボールの奪いどころとなってインターセプトを連発。ボールサイドでは巧みな身のこなしでDFを外し、スペースを突いたドリブルからスルーパスを繰り出すなど存在感を示した。「前半はいい形でボールを奪えていたけれどシュートが打てなかった。後半は風上だったのでシュートを狙おうと思っていた」。その後半に2発。黒子役を務めてきたMFの2ゴールにチームメートも興奮していた。

　2年生だった昨年は攻撃タレントが豊富なチームの中でバランサー役として、安定感高いプレーで周囲を支える役割が主だったが、この日はその枠に収まらない活躍だった。西羽は「相手(横浜FMユース)が格上と分かっていた。監督が言っていたんですけど、『相手はエリート集団で自分たちは鍛えぬかれた集団。その積み上げたものを発揮して絶対勝つ』と話していたので、攻守で運動量を発揮することが前提だった。結果として点が取れたことは良かった」と運動量など自らの役割を果たした上で2得点を挙げたことを喜んだ。

　もちろん、今後も自分のプレースタイルを変えるつもりはない。「今年もチームのためにバランスとか運動量を持ってやっていく。まずは守備から。攻撃でもチームのために走ってというのが前提。その上で今年は点も取ってチームに貢献できたらと思っています。(チームとしての目標は)プレミアを取ったことがないのでプレミア優勝が目標です」と誓った。

(取材・文　吉田太郎)

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