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“背水”山形、汰木が先制弾も雷中断後に失速…1-1ドローで開幕8戦未勝利

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[4.17 J2第8節 山形1-1札幌 NDスタ]

 開幕から7試合未勝利で最下位に沈むモンテディオ山形が3位と好調な北海道コンサドーレ札幌をホームに迎えた一戦は1-1の引き分けに終わった。山形は連敗を4で止めたが、これで開幕8戦未勝利(3分5敗)。札幌は今季2度目の連勝を逃した。

 山形にとっては“背水の陣”で挑んだ一戦だった。クラブは15日、公式サイトで「今後の戦いに向けて」と題した声明文を発表。現在の戦績を謝罪するとともに、現状の打開のためにチーム全体で行ったミーティング内容を公開し、「J1復帰を絶対に達成する」という目標をあらためてファンに向けて発信した。

 浮上のきっかけをつかみたい山形は、前節の町田戦(0-1)から先発4人を変更。システムも14年途中からほぼ一貫して採用してきた3-4-2-1から4-4-2に変え、ダブルボランチの一角にはストライカーのMF川西翔太が起用された。一方、札幌のスタメン変更は1人。前節の岡山戦(1-0)からDF上原慎也に代わってMFマセードが先発し、システムはこれまでと同様の3-4-1-2で試合に臨んだ。

 4バックでのスタートは約1年半ぶりとなった山形。立ち上がりこそ札幌に攻め込まれたが、徐々にリズムをつかむと、前半11分に幸先よく先制に成功した。MF伊東俊がPA右脇でFWディエゴのパスを受け、右足で低いクロスを供給。GKに弾かれたボールをPA内中央のMF汰木康也が拾い、右足で押し込んだ。汰木は昨季、JリーグU-22選抜でJリーグ初得点を記録していたが、山形の選手としてはこれが初ゴール。山形初スタメンも飾ったプロ3年目の20歳が起用に応えてみせた。

 このまま山形ペースで進むかと思われた試合は前半37分、落雷により一時中断を余儀なくされる。約40分の中断を経て再開したが、前半の残り時間でスコアは動かず、1-0でハーフタイムを迎えた。

 後半に入り、札幌は2種登録の17歳MF菅大輝に代えて31歳のベテランFW内村圭宏を投入。これに伴い、最前線のFWジュリーニョがトップ下に下がった。ジュリーニョが前を向いてボールを持つ機会が増えた札幌は高い位置でパスが回るようになり、後半は一転して主導権を握る展開となった。

 後半8分には内村が右サイドを突破してクロスを送り、中央でMF宮澤裕樹がヘディングシュート。ミートできずに枠を外れたが、同14分に同点に追いつく。中央のジュリーニョが浮き球のスルーパスを出すと、右に流れて受けたFW都倉賢がPA内右に持ち込み、右足でグラウンダーのクロス。ニアの内村が相手DFともつれながら押し込み、試合を振り出しに戻した。

 自陣でボールを回される我慢の時間が続いた山形は、後半32分にFWディエゴ・ローザ、同40分に市立船橋高出身の高卒ルーキーFW永藤歩と、快足FWを立て続けに投入する。同42分にはプロデビューを果たした永藤がカウンターから右サイドを抜け出し、右足で低い弾道のクロス。ファーへ流れたボールに汰木が走り込むも、フィニッシュにはつながらなかった。

 逆転を狙う札幌も後半アディショナルタイム、途中出場のMF小野伸二がCKや流れの中のクロスから連続してチャンスを生み出したが、ネットは揺らせず、1-1のままタイムアップ。互いに勝ち点1を分け合い、札幌は前節から順位を一つ落として4位。山形は試合が延期となったツエーゲン金沢を抜いて21位に順位を上げ、暫定ながら最下位を脱出した。

●[J2]第8節2日目 スコア速報

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