beacon

[プレミアリーグEAST]FC東京U-18が流経大柏に逆転勝ち!荒天、相手のパワーに飲まれず今季初白星

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.17 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 流通経済大柏高 1-2 FC東京U-18 流通経済大柏高G]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグEASTは17日、第2節2日目の4試合を行い、千葉県柏市の流通経済大柏高グラウンドでは13年日本一の流通経済大柏高(千葉)と初Vを狙うFC東京U-18(東京)が激突。FC東京が2-1で逆転勝ちして今季初白星をマークした。

 強風吹き荒れる荒天の中で行われた強豪対決は4分、立ち上がりからプッシュしていたホーム・流経大柏がスコアを動かす。PAでルーズボールの処理をしようとしたFC東京DFの前に勢い良く飛び込んだFW加藤千尋(3年)がPKを獲得。これをFW中村翼(3年)が右足で決めて先制したが、FC東京は直後の7分、CB坂口祥尉(2年)の右FKを中央に走りこんだMF内田宅哉(3年)が頭で合わせてあっという間に同点に追いついた。

 前半は互いにファウルの数が多くて試合のテンポが上がらず、またクリアなどの長いボールが増えて落ち着かない試合展開となった。その中で流経大柏は前線の中村と加藤、MF河西守生(3年)、SB高橋海翔(3年)の右サイドが連動した動きで攻撃をスピードアップ。また左サイドからも10番MF本田憲弥(3年)が絡んだ崩しを狙う。だがクロスこそ入っていたものの、本田裕一郎監督が「シュートが打てない。焦ってバタバタした」と首を振り、MF本田も「厚みがそんななかったから、単調になってそれしかないという攻撃になった」と振り返ったように、攻撃が単発となって連続した攻撃をすることができない。一方、FC東京は最終ラインまで降りてくるMF伊藤純也(3年)を起点にポゼッションする時間を少しずつ増やし、サイドから連動した崩し。32分に抜けだしたFW半谷陽介(3年)の右足シュートが流経大柏CB松浦駿平(3年)にゴールライン上でクリアされてしまうなど勝ち越すことはできなかったが、ハイサイドから仕掛け、前半だけで5本獲得したCKなどセットプレーでもゴールを目指した。

 後半、FC東京は16分に投入されたFW鈴木郁也(3年)が前線でポイントとなり、いい形でサイド攻撃。再三右サイドを駆け上がってくるSB岡庭愁人(2年)からのラストパスがゴール前に入る。一方の流経大柏も24分に交代出場FW古谷三国(3年)の左クロスに河西が飛び込んだが、わずかに合わず。そして迎えた28分、FC東京はビッグプレーをゴールに結びつける。右サイドでボールを受けた岡庭が対峙したDFの股間へボールを通すドリブルでサイドを攻略。そして「今年は新人戦から途中から出ることが多くて、監督も一枚目の交代の枠として期待して使ってくれていた。最近、練習試合を含めて点がなかったので、きょうはどんな形であってもゴール決めたいと思っていた」という鈴木がゴール前のスペースを逃さずに突き、岡庭のマイナスの折り返しを左足ダイレクトでゴールへ押し込んだ。

 リードされた流経大柏はクロスやロングボール中心に反撃。だが、FC東京は196cmの超大型守護神・波多野豪(3年)が圧倒的な高さでそれを処理し、また「キャプテンとしてみんなを最後まで鼓舞できるような選手になりたいと思っているので、声はかけられたと思います。最後押し込まれるシーンが多かったので、集中切らさないで行こうと声かけていました。ヘディングのあとのセカンドボールとか、球際で負けないことを意識してきょうは戦ったんですけど、最後まで集中切らさないでゴール前でやり切れたと思います」というCB蓮川壮大主将(3年)や坂口中心に跳ね返してゴールを許さない。後半アディショナルタイムに流経大柏MF河西の右足ミドルがゴールを捉えたが、これも波多野がセーブして試合終了。FC東京U-18がアウェーで勝ち点3を獲得した。

 FC東京は開幕戦で清水ユースに0-1で敗戦。力を出しきれずに敗れた初戦からの一週間で立て直してきた。佐藤一樹監督は「(初戦は)硬さもあったし、気負ってしまうところがあった。きょうも立ち上がりそういうところがあったけれども、彼らなりにクリアにしていってくれたんじゃないかと思います。(一週間やってきたことは)自分たちのサッカーを取り戻す作業です。緊張とかで力を発揮できないというところは、しっかりとトレーニングで自信がつくまでとことん根詰めてやっていない裏返しというところも含めてテクニカルな部分とメンタリティ的なアプローチを結構多めにやったんですけれども、今日表現してくれたので良かった」。試合直後にはJ3を戦うU-23チームのコーチとして、同じくJ3でベンチ入りしたMF生地慶充(3年)、FW松岡瑠夢(3年)、内田(いずれもプレミアリーグで先発出場)とともに夢の島競技場へ移動した指揮官は「いろいろな選手が出場できることで個は確実に伸びてきていると思うし、下のチームも底上げできてきている」。主力CB岡崎慎(3年)がJ3で先発出場を続ける中、U-18チームで多くの選手がトップリーグでの出場機会を得て個の強化に繋げている。この流経大柏戦は今季からU-23チームとU-18チームとの両立がスタートしたFC東京にとってプレミアでの初勝利となった。

 まだまだ1勝。だが、流経大柏の控え選手の大応援響き渡るアウェー戦、また悪天候、相手のパワフルなサッカーに持ち込まれたタフな試合で勝ち取った勝ち点3の意味は大きい。佐藤監督は「流経さんとやるとタフでまた勉強になるゲームをさせてもらえる。流経さんに引き上げてもらった」。この1勝で得た力をまた次の試合でも発揮すること。鈴木は「今年はチームで3冠というのを目標にしているので、目の前の一つひとつの試合を大事に戦っていくことが大事」と語り、蓮川は「ここで連勝できるように、火曜日からまた練習をやっていきたいと思います」と力を込めた。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2016プレミアリーグEAST

TOP