beacon

[プレミアリーグEAST]開幕2連勝の青森山田は初黒星、注目の10番MF高橋壱晟「手応えが過信になってしまった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.24 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 柏U-18 3-0 青森山田高 柏]

 6年目のプレミアリーグを開幕2連勝と好スタートを切っていた青森山田高だったが、3戦目で初黒星。開幕戦では流通経済大柏高に3-0で快勝し、前節の大宮ユース戦も「粘り強く勝った」(黒田剛監督)という白星だったが、この日は押し込んでいる時間帯で得点を奪えず、わずかな乱れが失点に繋がるなど悔しい敗戦となった。また、黒田監督は「トレーニングでやってきたことを出せていない」と指摘。奪ってからのカウンターやサイド攻撃などいい形をつくれず、エースの10番MF高橋壱晟(3年)は「チームとしてどこでスピードアップするのか意思統一できていなかった」と悔しがった。

 Jクラブのスカウト陣も駆けつける中でのプレーだった注目MF高橋は組み立ての部分や守備に重きを置きすぎたが、ゴール近くでプレーするシーンがわずか。MF住永翔主将とMF郷家友太、そして高橋の中盤のトライアングルは青森山田の生命線だが、この日はその連係もなかなか好転しなかった。その中で高橋は26分には左サイドからのパスを受けて右足シュートを打ち込み、また強引にPAへ潜り込もうとする場面もあったが、得点に絡むことができず。本人もチームがより良い形で攻撃できるように、今後はより良い位置でボールを受けて相手にプレッシャーをかけるという意欲を口にしていた。

 昨年度の高校選手権で高橋は得点ランキング2位タイの4ゴール。主力のひとりとして大舞台で結果を残し、4強入りに貢献した。今年はよりチームを引っ張るという意気込み。だが、U-19日本代表GK廣末陸が「去年は一枚岩になって全員で戦うような勢いが凄くあった。今年はまだ見られない」というように、昨年に比べると、今年は個性の強い選手が多い分、まだ意志統一できていない部分がある。また開幕2連勝して迎えたこの日はチームに甘さも出てしまっていただけに、昨年のようにより意識高く、まとまりあるチームにしていくこと。高橋は「(開幕2連勝の)手応えが過信になってしまった。チームの雰囲気が悪かったし、調子に乗ってしまったことについては反省しています。自分とか(主将の住永)翔とか、去年から試合に出ていた人が引っ張っていく。試合だけじゃなくて練習からやっていかないと試合では出せないと思うので、練習での意識づけもやっていきたい」と力を込める。

 チームとしての目標は全国制覇、そして個人としてはプロへ駆け上がるための1年とする。選手権後にはJクラブに練習参加。「高校生とは全然スピード、判断の部分が違う。色々感じたことがあった。攻撃も守備も両方やろうとやっているんですけど、まだまだこのレベルでは通用しないと思うので毎試合毎試合成長していってもっといいレベルになりたい。もっとやっていかないといけない」。今年自身に課していることについては攻守におけるレベルアップ。「去年以上に点取る分も求めていきたい。守備の面でも自分はシャドーなんですけど、プレスバックしたり、ゴール前に顔を出したり、その中でも攻撃と守備と両方できればと思います。プロになるためにやっている。プロになるためにやらないといけないことはまだまだいっぱいあるので、個人として成長できるようにやっていきたいです」。攻守ともに1段階、2段階突き抜けた選手となって、プロ入りを決めて高校生活を終える。

 シーズンはまだ開幕したばかり。この日の敗戦を“良薬”として準備段階から雰囲気を変え、次節の市立船橋高戦で悪い流れは必ず断ち切る。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2016プレミアリーグEAST

TOP