beacon

[MOM1765]神戸U-18MF安井拓也(3年)_二桁得点目標の10番が全得点に絡む活躍

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.24 高円宮杯プレミアリーグWEST第3節 神戸U-18 3-1 神戸弘陵高 いぶきの森球技場]

 目標は二桁得点。上手い選手から、ゴールでチームを勝たせる絶対的な存在への成長を狙うヴィッセル神戸U-18のMF安井拓也(3年)が全得点に絡む活躍で、今季初勝利に貢献した。

 この日、対戦した神戸弘陵高は元チームメイトやトレセンで一緒のチームだった選手も多い相手。「特別な想いでこの試合に挑んだ」との意気込み通り、開始から積極的なプレーを披露した。まずは、4分に左サイドからゴール前に上がった浮き球をダイレクトで合わせたが、GKの正面。続く5分にもFW永澤竜亮がドリブルで仕掛けたこぼれ球を拾って、シュートを狙ったが得点には至らない。次第に相手陣内での効果的なボール回しが減ったチームと状態と合わせるように、見せ場が減少。安井の下にボールが渡っても、「僕がボールを受けたら出来るだけ前に行こうとしていたけど、ファーストタッチでかわせなかったし、獲られることが多かった」と見せ場が作れない。それでも、35分には右CKのキッカーを務め、ゴール前に正確なクロスを入れると、DF堂鼻起暉がヘディングシュート。この一撃は惜しくもDFに阻まれてしまったが、すぐさまDF本山遥が押し込み、イーブンでの折り返しに一役買った。

「飛び出さないとチャンスが生まれないので、2列目からドンドン行こうと思っていた」。そう振り返った後半は、ゴールへの意識をより鮮明に打ち出す。すると、チャンスはすぐさま訪れ、後半4分には相手陣内中央でボールを持ったFW向井章人がDF裏に浮き球を配球。「章人なら出してくれると思っていました」とすかさず、PAに飛び出して相手DFの裏をとると、GKよりも先にボールに触ってゴール左に流し込んだ。浮き球に反応しての得点は、開幕の東福岡高戦でも見られた光景。「(得点場面は)昨年までなら、走っていない状況だったと思う。これまではチャンスが来ても、走れず無駄にしていたことが多かったけど、結果を求めるためにはゴール前に行かないと点が奪えないので、今年は意識している」ことが結果に繋がった。

 見せ場は以降も続き、14分に三度引き寄せた歓喜は再び右CKから。安井がPA中央に上げたボールを堂鼻がドンピシャヘッドで叩き込み、神戸弘陵を突き放した。チームへの貢献は攻撃面だけに留まらず、25分には中盤で相手パスをスライディングでカット。奪いきれなかったものの、こぼれ球が永澤の下に入り、ドリブルからのシュートに繋がった。この日の見せたプレーは、神戸U-15時代にチームメイトだった神戸弘陵のFW村山健が「前半はそんなにやったけど、決めてくる所はさすが。間で受ける技術は中学時代と変わらないけど、守備でハードワークをしたり、細かい所がちゃんとできていた。ゴール前に入っていくスプリント回数も上がっていると思う」と口にするほど。安井が神戸U-18の今季初勝利の立役者であったことは間違いない。

 試合後の安井は、「開幕から2連敗していた上に、今日は神戸弘陵との神戸ダービー。絶対に負けられない相手だったので、ホッとしました」と安堵の表情。自らの得点でチームの勝利に貢献したのは昨年4月に行われたプレミアリーグWEST第4節の大分トリニータU-18(大分)戦以来、約1年ぶり。この試合以来、得点数が減少し、奪ってもチームが勝ち星を奪えずにいただけに、自らの得点で掴んだこの日の勝利は格別だったようで「本当に気持ち良いです」と満面の笑みも見られた。

 ただ、まだ一勝しただけに過ぎない。今年の目標はチャンピオンシップを制しての日本一を掲げている。「ここから逆襲していく自信はあるし、今年は優勝しなくちゃいけないチームだとも思っている。そのために攻撃陣は点を獲らないといけないし、自分が点を獲って勝つことを僕は目標にしている。今は先のことは考えずに、目先の試合に集中して良い準備をしていきたい」と更なる活躍を誓った。

(取材・文 森田将義)
▼関連リンク
2016プレミアリーグWEST

TOP