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「変なことになった」決定機逸も…FW興梠、失敗生かしてゴール奪取

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[4.29 J1第1ステージ第9節 浦和 4-1 名古屋 埼玉]

 一つの場面が頭をよぎった――。前半25分にMF柏木陽介の得点で先制した浦和レッズに決定機が訪れたのは同36分。FW李忠成のスルーパスから完全に抜け出したFW興梠慎三だったが、シュートを打てるかと思われたタイミングを逃してしまう。

 GK武田洋平との距離はあった。興梠自身も「シュートを打てるのは分かった」。しかし、似たような場面でシュートを外したことを思い出す。4月5日に行われたACLグループリーグ第4節広州恒大戦の後半36分、最終ラインの裏に抜け出した興梠はシュートまで持ち込んだが、GKゾン・チョンに阻まれて得点機会を逸していた。

「広州戦のときにシュートを打って外して後悔したので、今日はループを打とうかどうか迷った」。だが、武田に距離を詰められており、右にかわしてシュートを打とうとしたものの「ミスをした」ため、左足に持ち直す。シュートフェイントで相手DFを翻ろうしたが、「視界に寄せてくる相手が入ったので、そこまでかわそうとした」結果、シュートまで持ち込めずに決定機を逃した。

「間合いがあると考え過ぎてダメですね」。得点機会を逃すと、前半39分に名古屋に同点に追い付かれてしまった。しかし、後半11分に李のゴールで勝ち越しに成功すると、同17分に再びチャンスが訪れる。

 ゴール中央で柏木からパスを呼び込むと、寄せてくる相手DFを一気に振り切る。そして、「前半みたいにこねくり回すと変なことになるから、抜いた後はしっかり打とうと振り抜いた」と前半の経験をしっかり生かすと、右足から放たれたボールはネットに突き刺さり、貴重な追加点が生まれた。

(取材・文 折戸岳彦)
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