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[プレミアリーグEAST]FC東京U-18が4連勝で首位堅持!結果と個の成長の好循環

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[5.7 高円宮杯プレミアリーグEAST第5節 FC東京U-18 3-0 鹿島ユース 東京ガス武蔵野苑多目的グラウンド(人工芝)]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯プレミアリーグEASTは7日、第5節1日目のFC東京U-18(東京)対鹿島アントラーズユース(茨城)戦を行い、3-0でFC東京U-18が快勝。FC東京は連勝を4へ伸ばして首位を守った。

 今年からJ3にU-23チームが参入。本来主軸のひとりである、CB岡崎慎(3年)がJ3で先発出場を続けているほか、MF鈴木喜丈(3年)やMF内田宅哉(3年)らがU-23チームと兼任してプレミアリーグ、J3を戦うタフなシーズンを送っている。その中でFC東京U-18は4連勝。またT1(東京都1部)リーグで昨年の選手権準優勝校である國學院久我山高や全国総体4強の関東一高などと真剣勝負する機会を得ているBチーム含めて個の成長と結果の両面で成果が出ている。その現状について、佐藤一樹監督は「(現在)たまたま結果が出ている。このルーティーンを続けていければいい。よりスピード感のある、大人のサッカーに近づいていければいい」と語っていた。

 立ち上がりからボールを支配したFC東京はPA付近までボールを運ぶと、FW松岡瑠夢(3年)やFW半谷陽介(3年)、左SB生地慶充(3年)、そして内田と1対1で局面を破ることのできる選手たちが積極的な仕掛け。一方、昨年の優勝チームからMF西本卓申主将(3年)やCB松浦航洋(3年)らを除くと大きくメンバーの入れ替わった鹿島だが、熊谷浩二監督が「まだまだ力がない。(それでも開幕からの5試合で)守備のところで耐えられるようになってきている」というように、守備面での成長を見せているチームは我慢強い守りを見せ、サイドを突破されてもマイナスのラストパスを引っ掛けてクリアするなど中央では譲らない。奪ったボールを上手く繋いだ際には一気に敵陣へ押し返した。そして37分にはMF井村瞭介(3年)のミドルシュートがゴールを襲うなど、少ないチャンスをものにしようとする。

 それでも「質の部分が時間が経つにつれてよくなった」(佐藤監督)FC東京は前半40分、左サイドから1対1を仕掛けた内田がDFを振りきってゴールエリアへラストパス。鹿島DFがカバーに入っていたものの、クリアミスしたボールがゴールラインを越えてFC東京が貴重な先制点を手に入れた。一気に畳み掛けようとするFC東京は42分に内田の右足ミドルがゴールを捉え、43分にも左CKからCB蓮川壮大主将(3年)がクロスバー直撃のヘディングシュート。だが、GK石川碧人(2年)の好守などで連続失点を逃れた鹿島は後半、CBとして先発した篠崎輝和(3年)を前線へ上げてターゲットを入れ替える。そこに右SB白井亮(2年)がクロスを入れるなど巻き返そうとした。それでも後半に存在感を増したCB蓮川にロングボールを次々と跳ね返されてしまう。

 逆に落ち着いたプレー光るU-17日本代表MF平川怜(1年)や鈴木がボールを失わずに前進させて松岡が個人技から決定的なシュートを放つなど2点目を狙うFC東京は16分、右CKのクリアボールに反応した右SB岡庭愁人(2年)が「キックは得意な方。抑えながら打とうと思った」と右足一閃。DFに当たってコースの変わった一撃がGKの逆を突く形でそのままゴールへ吸い込まれて2-0となった。

 鹿島は直後に左SB荒川弘大朗(2年)の右FKからファーサイドのCB中村勇太(2年)が技ありヘッドでゴール方向へボールを流し込む。だがFC東京はゴールラインすれすれで鈴木がクリア。追撃を許さなかったFC東京は35分、交代出場の14歳、U-17日本代表MF久保建英(中学3年)が右サイドから1人で持ち込んでゴールネットを揺らす圧巻のゴールを決めて勝負の行方を決定づけた。

 4試合連続未勝利となった鹿島の西本は「力が足りないので、勝利にこだわって100パーセントを出し切らないといけない」とよりこだわって勝利を目指すことを宣言。一方のFC東京は守備面では競り合いの部分など課題は多いが、ストロングポイントを遺憾なく発揮した久保ら個々が良さを発揮して白星を手にした。佐藤監督が「(昨年が悪かった訳ではないが)昨年以上に質と量を上げている」という日々のトレーニング。それぞれがより厳しいステージで戦う力を身につけるためにトレーニングの強度が上がり、その中でチャンスを掴んだ選手たちが結果を残している。蓮川は「J3もあってメンバーが固定されないのははじめから分かっていたので、その中で誰が出ても同じサッカーができるということを意識してやってきた。チームとしてもですけれども、個人としても成長する一年を掲げていたので、そのための一人ひとりの意識とかが高まったかなと思います」。プレミアリーグは約1か月半の中断期間に入り、その間に日本クラブユース選手権予選が行われる。好循環をより高いレベルで維持し、シーズン中盤戦を迎える。

[写真]後半16分、岡庭のゴールを喜ぶFC東京U-18イレブン

(取材・文 吉田太郎)
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