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熊本、1か月ぶりリーグ再開初戦で千葉に完敗も温かい拍手に包まれる

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[5.15 J2第13節 千葉2-0熊本 フクアリ]

 ロアッソ熊本は15日、J2第13節でジェフユナイテッド千葉と対戦した。先月発生した熊本地震の影響で約1か月ぶりの公式戦となった熊本の雄姿を見届けようと、フクダ電子アリーナには今季最多の1万4163人のサポーターが詰めかけた。試合は2-0で千葉が勝利した。

 4月14日に最大震度7を観測した地震は、熊本県を中心に甚大な被害を及ぼした。サッカー界への影響も大きく、九州地方で開催予定の試合が軒並み延期となった。最も被害の大きかった熊本県を本拠地とするロアッソ熊本は、練習すらままならない状況が続き、5月2日になってようやく活動を再開。そしてこの日、4月9日の山口戦以来となる約1か月ぶりのリーグ戦再開の日を迎えた。

 熊本は積極的な試合の入りを見せた。特に背番号10が気持ちの入ったプレーを見せる。MF清武功暉は前半3分に左足ミドルでファーストシュートを放つと、同4分にも左足シュート。GK佐藤優也の好セーブに防がれ得点にはならなかったが、ブランクを感じさせない体のキレを見せた。

 守っても熊本は集中力を切らさない。前半16分にMF井出遥也に打たれたミドルシュートもGK畑実が横っ飛びセーブで弾き出す。畑は昨年5月31日の長崎戦以来のスタメン。避難所生活をする192cmGKが、守備陣を引き締める。同30分にはFW巻誠一郎が接触プレーで顎を強打しうずくまるが、ピッチ脇で治療するとすぐにピッチに戻る気持ちの強さを見せた。

 しかし、スコアレスで折り返した後半は千葉の波状攻撃に遭ってしまう。後半8分のFWエウトンのヘディングシュートは畑が好セーブに弾き出したが、同11分、FW船山貴之に打たれたボレーシュートがDFに当たってこぼれると、これをMF町田也真人に蹴り込まれ、先制を許した。

 心配されたスタミナ面の不安が的中してしまった熊本は、後半16分に1枚目の交代カードとしてFW平繁龍一に代えてFW齋藤恵太を投入。リズムに変化を求め、同点ゴールを目指した。しかし同23分のMF高柳一誠の左足ミドルは枠左へわずかに外れる。同25分にはMF岡本賢明に代えてMF嶋田慎太郎を送り込むが、なかなかボールを前に運べなくなる。

 後半29分にはボールを前に蹴りだそうとした畑が町田のブロックに遭い、無人のゴールに流し込まれ追加点を許した熊本。リーグ再開初戦は完敗となったが、試合終了後にはスタジアムに詰め掛けた360度のサポーターから熊本イレブンに温かい拍手が送られていた。

 なお千葉は4月9日以来、6戦ぶりの勝利で勝ち点を19に伸ばしている。

(取材・文 児玉幸洋)
●[J2]第13節 スコア速報

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