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「積極的にゴール前に」柏が誇るスピードスターMF伊東が2アシスト

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[5.21 J1第1ステージ第13節 柏3-2福岡 柏]

 手倉森誠U-23日本代表監督も「アフリカ勢を驚かすスピードスター」として期待を寄せる柏レイソルのMF伊東純也が、決勝アシストを含む2アシストで逆転勝利に貢献した。

 18日のナビスコ杯・新潟戦(●1-2)の右サイドバックから1列前、右の中盤に入った伊東は「ひとつ前ということで、積極的にゴール前に絡んでいこうと思っていた」と試合に臨んでいた。すると、前半4分には右サイドで一度FW中川寛斗にボールを預けている間に、右サイドを駆け上がる。中川からパスを受けた中央のFWディエゴ・オリヴェイラがダイレクトで右サイドへはたくと、伊東がフリーで抜け出し、ペナルディエリアに進入する決定機となったが、シュートはゴールマウスをとらえることができなかった。

 福岡の左サイドバックのレギュラー、DF亀川諒史がU-23日本代表としてトゥーロン国際大会に出場するため、チームを離脱。代わりにはJ1デビュー戦となったMF阿部巧が入ったが、柏が誇るスピードスターを抑えることは困難だった。1対1でドリブルを縦に仕掛けてはスピードで振り切り、何度もチャンスをつくった。

 前半の福岡の左サイドを制圧していた伊東に対し、後半の福岡は左サイドで数的優位をつくって守ると、柏は右サイドからのチャンスの回数を減らしていき、その間にチームは逆転を許した。「疲労もあって思ったようにボールを受けられなかった。相手に1回止められてからは、ガツガツくるようになったので、さらに難しくなった」。そんな中でも背番号14の2アシストがチームを3試合ぶりの勝ち点3に導いた。

 1点を追いかける後半35分、中川がプレッシャーをかけてDF堤俊輔がパスミスをしたところを伊東がインターセプト。伊東が中央のディエゴ・オリヴェイラに預けると、単身ドリブルで突破し左足でシュートを突き刺した。逆転弾を狙う同41分には、右サイドからドリブルで仕掛ける。「縦を切られている」と判断した伊東は、あえて縦に行かずに阿部をステップでかわしてから、ファーサイドへクロス。これをDF輪湖直樹がヘディングで押し込んだ。「ファーにはいつも輪湖くんが入ってくる。輪湖くんはヘディング強いですし、あとは信じて空間にあげました」と伊東。それまでの“縦へ、縦へ”から裏をかいたプレーが、日立柏サッカー場に歓喜をもたらした。
 
(取材・文 奥山典幸)

●[J1]第1ステージ第13節 スコア速報

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