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ACL日本勢全滅で危惧するハリル「日本サッカー界はデリケートな状況」

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 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で日本勢が全滅したことを受け、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は「日本のサッカー界はデリケートな状況に陥っている」と言及した。

 前日25日、浦和はPK戦の末、FCソウルに敗れ、決勝トーナメント1回戦で敗退。FC東京に続いてベスト16で姿を消し、アジア8強にJリーグ勢は1チームも残れなかった。「準々決勝に日本のチームが一つも存在していない」。ACLで8強入りしたのは全北現代、FCソウル(ともに韓国)、上海上港、山東魯能(ともに中国)、アルナスル、アルアイン(ともにUAE)、アルジャイシュ(カタール)、ロコモティフ(ウズベキスタン)。韓国、中国、UAEが2チーム残った。

 日本勢の敗因について「単純に他の相手が強かったから日本チームがいなくなった」としながらも、「現代フットボールが何を要求しているかを考えないといけない。それに関して疑問を持たないといけない。UAE、韓国、中国が2チームずつ残ったことは偶然ではない。彼らはより多くの仕事をこなしている」と、すべてのサッカー関係者が危機感を持つべきだと強調した。

「過去には日本が一番強いと思っていたと思う。ここ5年の間に本田や香川が海外に行った。しかし、本田と香川を超える選手がここ5年で出てきたか。この4、5年の間、W杯やアジア杯で日本がどういう結果を出してきたか。なぜ彼らが良い結果を出せなかったのか。しっかり疑問を抱いて分析し、真実を突かないといけない」

 世界のフットボールは刻一刻と変化している。日本が世界に、さらにはアジアの他国にも後れを取っていると指揮官は指摘する。「毎週、Jリーグを視察している。時々、いい試合もあるが、それはまれだ。夜に家で海外の試合を見ると、まったく違う世界。海外で何が起きているかをもっと見る必要がある。戦う意識やプレースピードは(日本と世界で)バイクとフェラーリほどの違いがある」と、日本サッカーが置かれた現状を表現した。

「ただ、日本の選手ももっと速く走れるし、もっとコンタクトができる」。日本人のポテンシャルを信じているからこその言葉。「現代フットボールはプレーのスピードを求めている。バルセロナのゆっくりゆっくり(したパス回し)はもう終わった。もっと背後に速くなっている」。現代フットボールのトレンドをそう分析する指揮官は「日本サッカーに関わる人が、(ACLで日本勢が)なぜベスト8に残れなかったか、今疑問を抱かないといけない。明日では遅い。なぜなら各国が伸びているからだ。現代フットボールを日本の長所に適応していかないといけない。戦う気持ち、プレースピード。多くの人が疑問を抱かないといけない」と厳しい口調でまくし立てた。

(取材・文 西山紘平)

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