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アルゼンチン代表に一矢報いたヘディング弾…秋田豊「サネッティは馬のように走っていた」

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 今週金曜日、じつに5年ぶりの開催となる「キリンカップサッカー2016」がいよいよ開幕する。ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、デンマークを日本に迎え、4ヵ国による一発勝負のトーナメント方式で、タイトルを争う。

 大会の復活を記念し、ゲキサカでは日本代表のレジェンドたちにインタビューを慣行した。最後は、ゴール前の壁として世界の名だたるストライカーと渡り合ってきた秋田豊氏だ。

強豪に勝利して
本当の意味で強いチームに


――秋田さんは「キリンカップサッカー」に6試合出場されていますが、最初に出場された1997年のクロアチア戦はご記憶にありますか?
「あの試合は、3バックで臨んで、井原(正巳)さん、斉藤(俊秀)さん、僕の3枚で、前は3トップの形だったと思います。3点をリードした後に僕が失点に絡んだ部分もあって、だいぶ追い上げられてしまったけど、結果的に4-3で勝つことができました」

――クロアチアと戦う前はどんな印象を持っていましたか?
「じつはクロアチアとは個人的に縁があるんです。1993年に鹿島がヨーロッパに遠征したときにクロアチアと対戦して、僕は出場しなかったんですけど、そのときのチームは強烈でした。ボバンやスーケルがいて。国際的な制裁を受けて大きな大会には参加できなかった頃でしたが、上手い選手が揃っていました」

――「キリンカップサッカー」での対戦は待ちに待った試合だったんですね。
「自分としては、1997年は選手としてピークの頃。Jリーグでもエムボマやスキラッチ、ピクシー(ストイコビッチ)といった世界レベルの選手と対戦していましたから、個人的に楽しみにしていました。アサノビッチやプロシネツキといった選手は来ていましたけど、実際に対戦してみたら記憶にあったような強さはありませんでしたね」

――秋田さんにとっては最後の「キリンカップサッカー」となったアルゼンチン戦はどうでしょうか。1-4で敗れましたが、日本の1点は秋田さんでした。
「ヘディングでのゴールでしたね。日本はあの試合で中盤をダイヤモンド型にして3ボランチをテストしたので、自分たちから崩れていった印象ですね。ただ、そういう崩れたチームに対して、試合を決める技術やメンタリティを持っていたのがアルゼンチン。アイマールやサビオラがスーパーなプレーをしたかといえばそうではないんですけど、ゴールに結びつくプレーを確実にする。そこに強さを感じました。アルゼンチンの選手は個々に特徴を持った選手がいるんですよ。サビオラは日本人より背が小さいけどポジショニングがうまいですし、特に印象深かったのはサネッティ。馬力がすごいというか、まさに馬のように走れる(笑)。アルゼンチンと戦うたびにそう思わされます」

――秋田さんの現役時代のように大会方式に戻った「キリンカップサッカー2016」は、ヨーロッパの3か国が参加します。
「優勝をしなければいけない大会ですね。ホームの利点もありますけど、一番大きいのはこの大会の意義だと思います。これから日本が戦っていかなければいけないレベルの相手に対して、勝ち切ることができるか。圧倒的なサッカーをするというよりは、1-0での勝利だったり、本当の意味で強いチームになっていってほしいです」

――勝負強さを大会形式の中で身につけてほしいと。
「1月の最終予選を勝ち抜いたU-23日本代表を見ると、『巧いより、強い』という印象を受けます。それは一体感があるからだと思います。『どの選手のことも見ている』というメッセージを発している手倉森監督のマネージメント力によるところも大きいでしょう。個人の力を『100』としたときに、チームとしてまとまればそれを『120』や『150』にすることもできる。そういうチームづくりをしていくことで、日本代表も9月からの最終予選を突破できるチームになっていくのではないでしょうか」

――ハリルホジッチ監督に期待することは?
「ハリルホジッチ監督に対しては、選手起用に関して違和感を持っているんですよ。選手交代のタイミングであったり、選手の組み合わせです。サイド攻撃をしたいのに、FWの背の高い選手がフィールドにいないとか。意図やイメージが明確に見えるサッカーをしてほしいと思っています」

(取材・文 奥山典幸)

ヨーロッパの強豪3か国が参戦!
激戦必至の「キリンカップサッカー2016」は、6月3日開幕!!


■準決勝
6月3日(金)19:40キックオフ
日本代表vsブルガリア代表(豊田スタジアム)

■決勝または3位決定戦
6月7日(火)
日本代表vsボスニア・ヘルツェゴビナ代表またはデンマーク代表(市立吹田サッカースタジアム)


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