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[総体]ユース取材ライター陣が推薦する総体予選注目の11傑vol.4

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特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校総体予選注目の11傑』」

 ゲキサカでは熱戦展開中の平成28年度全国総体「2016 情熱疾走 中国総体」都道府県予選の注目選手を大特集。「総体予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に総体予選注目の11選手を紹介してもらいます。第4回は、(株)ジェイ・スポーツのJリーグ中継プロデューサーを務める傍ら、東京都中心にユース年代のチーム、選手を取材する土屋雅史氏による11名です。

 土屋雅史氏:「今回は昨年の選手権で全国大会に出られなかった選手たちの中から11傑プラス6人を、重点的に取材させて頂いている東京を中心に選出させて頂きました。悔しい想いが成長の糧になるというのはよく聞く話ですが、選手権の出場を逃すという経験は高校サッカーに身を投じている者なら何より悔しい出来事のはず。そんな想いをパワーに変えているであろう彼らの活躍に是非期待したいと思います!」

GK山ノ井拓己(静岡学園高3年)
「最初に脚光を浴びたのは1年時の選手権。夏の全国総体を制した優勝候補筆頭の東福岡をシャットアウトで退け、同じ1年生で選手権制覇を果たした先輩の南雄太(横浜FC)と比較される程のインパクトを残したが、以降はここまで全国大会の出場はなし。最高学年にとなる今シーズンはU-19日本代表選出とプロへの道を切り拓くべく、185cmの長身を生かしたハイボール対応を武器に、まずは夏の王国制覇を狙う」

DF鈴木友也(関東一高3年)
「人生初の全国大会となった昨年の全国総体は、MVP級の働きを見せてベスト4進出に貢献したが、VIVAIO船橋出身として絶対に出たかった準決勝の市立船橋戦は出場停止で欠場となり、チームも敗退。悔し過ぎる想いを味わった。人に強く行ける力強さと足元の技術を兼ね備えたCBであり、キャプテンマークを任されることもある今シーズンに、全国への帰還とイチフナへのリベンジを誓う」

DF関口海(高崎高3年)
「前橋育英の山田耕介監督と桐生一の田野豪一監督が『今年のタカタカは良い』と声を揃えるその“タカタカ”で、キャプテンを務めるCBがこの男。「選手権は受験もあって、残れる3年生も限られてくると思う」と本人も話す同校にとっては、全国総体出場が最大の目標。新人戦で前橋育英と、県総体で前橋商と好勝負を繰り広げた高崎が、19年ぶりの全国切符を勝ち獲るためには、緻密なラインコントロールとカバーリングに長ける関口を中心とした守備陣の奮闘が必要不可欠だ」

MF針谷岳晃(昌平高3年)
「新人戦で埼玉を制するなど上々のシーズンスタートを切り、初めてとなる夏の全国を狙う昌平にあって、チームを操る絶対的な司令塔。『ボールを取られないというのが自分の持ち味』と自ら語る通り、シビアなゾーンに潜ってもほとんどボールを奪われないスキルは一見の価値あり。ボランチもトップ下もできる彼が『メッチャ憧れている』のはドイツ代表のトニ・クロース

MF大野泰成(成立学園高3年)
「愛媛の地から選手権出場を目指して成立学園の門を叩いたボランチ。バランスを重視していた昨年に比べ、『もっと前で自分も勝負したいと思います』という今年は攻撃に関わる回数も確実に増加。『高卒でプロ』という目標を叶えるためにも、今大会は勝負の時。家長昭博やマタといった憧れの選手同様、左足一本で局面を変える大野の出来が東京制覇のカギを握っている」

MF陶山勇磨(帝京長岡高2年)
「高い技術に定評のあるお馴染みの長岡JYが生んだレフティテクニシャン。昨年は1年生ながらレギュラーの座を掴むと、選手権予選決勝でも新潟明訓ディフェンスを翻弄。既に筑波大で出場機会を掴んでいる明訓のエース加藤潤と互角に渡り合った。今年は小塚和季(新潟)や小林拓夢(東洋大)も背負った帝長のエースナンバーでもある14番を託され、チームの中心として飛躍が期待されている」

MF袖山翼(東海大高輪台高3年)
「『自分は技術のある選手ではない』と言い切るキャプテンは、テクニカルなスタイルを貫くチームの中でも異色のスタイル。ただ、『動き回れるのが彼の良さ』と川島純一監督も認めるように、チームの潤滑油としてセカンド回収やプレスにピッチを走り続ける袖山の存在が高輪台を下支えしているのは間違いない。とにかくちゃんと話すことのできる好青年」

MF冨山大輔(関東一高3年)
「昨年度の全国高校総体優秀選手にして、関東一史上初となる全国ベスト4進出の立役者となったファンタジスタ。今年から就任したキャプテンも『自分が盛り上げようという所は意識していますし、自分からどんどん言うことで自信みたいなものが付いて、今年に入ってプレーの波があまりないなというのは感じています』と自身に好影響を。年代屈指と言って良いテクニックを武器に、東京連覇と全国制覇を明確に目標へ掲げている」

FWサントス・デ・オリベイラ・ランドリック(帝京高1年)
「日比威監督曰く『彼なりにいろいろ調べて『是非帝京高校に行きたい』と』この4月にカナリア軍団へ加わった留学生。同じ1年生で既にチームの中心を担っている三浦颯太に聞くと『まだ日本語は理解していないですけど、頑張ってノートを写していますし、周りが簡単な単語を黒板に書いたりして、よく話すようにしています。凄く明るくて面白いです』とのこと。体の強さを生かしたキープとシュートセンスに加え、神に祈りを捧げるゴールセレブレーションのスムーズさは一見の価値アリ」

FW長崎達也(佐野日大高3年)
「『ポイントポイントで点を取ってくれる子』と海老沼秀樹監督も期待を寄せるストライカーは、昨年の関東大会での活躍で自信を付け、直後の総体予選決勝では全国トップクラスの実力を有すると目されていた矢板中央から2ゴールを奪い、全国切符獲得に大きく貢献。一躍注目を集めた。動き出しの良さとポジショニングの巧みさはまさにストライカーのそれ。今年は絶対的な攻撃の柱として、連覇を狙うチームにゴールをもたらし続ける」

FWリャン・ヒョンジュ(東京朝鮮高3年)
「昨年は北朝鮮代表として、日本の高体連所属選手の中でただ1人FIFA U-17ワールドカップに参戦。3試合に出場する中で課題も見つかったが『自分のストロングポイントであるドリブルは通用しました』と同時に手応えも掴んで帰ってきた。今年はキャプテンにも就任し、過去2年間同様に圧倒的な得点感覚でゴールを量産中。悲願の全国出場を目指す東京朝鮮を最前線で牽引している」

※以下、全国総体の選手登録枠と同じく、11傑候補6人を加えてもらいました。
DF鈴木文也(新屋高3年)
DF渡辺巧輝(東京実高3年)
MF今井祐太朗(西武台高3年)
MF小磯雄大(堀越高3年)
MF星野周哉(前橋商高3年)
FW澤島輝(履正社高3年)

[写真]土屋氏が推薦する関東一MF冨山

■執筆者紹介:
土屋雅史
(株)ジェイ・スポーツに勤務し、Jリーグ中継を担当。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。
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【特設ページ】高校総体2016

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