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本田&香川を超える選手は…若年代を分析する本田「挫折を乗り越えるハートが備わってない」

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 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は26日のメンバー発表会見で「本田と香川を超える選手がここ5年で出てきたか」と言及し、FW本田圭佑やMF香川真司を脅かすような下の世代からの突き上げがないことに対し、危機感を持つべきだと強調した。

 その本田と香川は27日、千葉県内で行われている事前合宿に合流。本田は「その対象にある自分がコメントするのはどうかと思うけど」と前置きしたうえで、「客観的に言うと、(若い世代に)うまい選手はいる。ただ、ハートの部分であったり、こういうみなさん(メディア)との対話であったり、そのあたりの感覚がちょっと違うのかなと」と指摘。「みんないい子だし、好きだし、かわいいし、話していて楽しいけど、自分は生意気ぐらいが好きなので」と苦笑いを浮かべた。

「もっとできるのに、そのハートで挑戦しているのがもったいない」。本田はそう率直に語り、メンタルや意識の部分に物足りなさも感じているようだった。香川も「20歳前後ぐらいの選手」の台頭が日本代表には必要だと考えている。「僕らもそれぐらいの年齢から試合に出ていた。僕ら中堅から後半の選手にとってもいい刺激になるし、そういう競争はあってしかるべきだと思う」と、受けて立つつもりだ。

 こうしたメンタルの部分は生まれ持ったもので、自分の意識で変えていくことはできないのか。そう聞かれた本田は、難しいことであることは認めつつ、不可能ではないと力説。持論を展開した。

「『三つ子の魂百まで』とはよく言ったもので、育った環境もあるので、根本を変えるのは難しい。でも、僕はリーダーシップはトレーニングで身につくものだと思っている。最初から自分にリミットをかけている選手が多いけど、それさえ外していければ、結構なことができるんですよ、人間は」

 本田と同い年であるFW岡崎慎司はレスター・シティでプレミアリーグ優勝の快挙を成し遂げた。本田、岡崎、DF長友佑都は同じ86年生まれ。89年生まれの香川も出場した08年北京五輪世代が現在の日本代表の中心になっている。

 こうしたハートの強さを持った選手が「僕らの世代には意外に多いかもしれないですね」と話す本田は、その背景として「僕を含めて、うまくなかった。それがよかったのかもしれない」と指摘。「日本人には小学生のときからうまい子を甘やかすところがあるのかもしれない。みんなどこかで挫折することはあるけど、その挫折を乗り越えるハートが備わっていない。打たれ弱いところがあるのかな」と、自分なりに分析していた。

(取材・文 西山紘平)

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