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世界が注目する“スピード対決” ビッグイヤーを掲げるのはベイルかF・トーレスか

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 過去3年間で2度目のマドリードダービーとなったUEFAチャンピオンズリーグ決勝が28日にイタリア・ミラノのサンシーロで開催される。時速34.7キロとも言われる驚異的なスピードを誇るレアル・マドリーのMFガレス・ベイル。抜群の加速力と一瞬の判断力でゴールを陥れるアトレティコ・マドリーのFWフェルナンド・トーレス。どちらの“スピード”がクラブにビッグイヤーをもたらすことになるのか。決戦の時が刻一刻と迫っている。

 2014年5月にポルトガルのリスボンで行われたUEFAチャンピオンズリーグファイナルでも激突した両チーム。当時は後半アディショナルタイムまでアトレティコが1-0でリードしながら、試合終了間際にレアルが同点に追いつくと、延長後半5分のベイルの勝ち越しゴールを皮切りに得点を重ね、最終的には4-1のスコアでレアルが120分間の激闘を制した。

 史上最多となる通算10度目の欧州制覇“デシマ”を成し遂げたレアルに対し、実に40年ぶりとなる決勝進出を果たしたアトレティコは再びあと一歩のところで栄冠を逃す結果に終わった。この試合にベイルは120分間フル出場。延長後半の決勝点を含め、トッテナムから加入1年目でビッグタイトル獲得に大きく貢献した。一方、当時ミランに所属していたトーレスは2年前の決勝には当然、出場していない。トーレスがアトレティコに4年ぶりの復帰を果たすのは、約半年後となる2014年12月。翌2015年1月、レアルと対戦したコパ・デル・レイ5回戦第1戦で移籍後公式戦初出場を果たすと、その第2戦で2ゴールを決め、レアル相手に復帰後初ゴールを記録することになる。

 2年前のファイナルではレアルが頂点に立っているが、その後の対戦成績ではアトレティコが大きく上回っている。2014-15シーズンはスペインスーパー杯、前述のコパ・デル・レイ、さらにはUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝でも激突した。リーグ戦を含め、実に8度も公式戦で相まみえるが、その戦績はアトレティコの4勝3分1敗。レアルは2015年4月のUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦で1-0の勝利をおさめ、同シーズン8度目の対戦でようやく初勝利を挙げた。

 今季のリーグ戦もアトレティコがホームで1-1、アウェーで1-0と、レアルは分が悪い。今年1月からチームを率いるジネディーヌ・ジダン監督にとっては、今年2月に行われたホームでのマドリードダービーでの敗戦が就任後初黒星でもあった。2年ぶり11度目の頂点を目指すレアルがリーグ戦の雪辱を果たすか。それとも、2年前のファイナルのリベンジに燃えるアトレティコが史上3度目の決勝進出で初栄冠に輝き、史上23チーム目の欧州王者が誕生するか。

 ベイルは「アトレティコ・マドリーと対戦する決勝は、とてもハードな試合になるだろう」と、決戦に向け集中力を高めている。今季のリーグ戦では19ゴールを決めているが、意外なことにUEFAチャンピオンズリーグではゴールがない。マンチェスター・シティとの準決勝第2戦ではベイルのシュートが相手DFに当たってゴールネットを揺らし、決勝点となったが、記録はオウンゴールだった。それでも「大事なのはゴールであり、ボールが入ること。だれが決めたのかは大事ではない」と意に介していない。大事な一発は、2年前のように決勝まで取っているのかもしれない。

 一方のトーレスはEURO2016に臨むスペイン代表候補から外れたが、「EUROのことは特に気に病んでいない。自分の人生で一番大きい試合を目の前にしているからね」と、こちらも目の前の一戦に集中している。「僕らはクラブの歴史上、新しい章へと突入している。あとはハッピーエンドで終わらせたい」。チェルシー時代の2011-12シーズンにUEFAチャンピオンズリーグ優勝を経験しているが、下部組織から育ったアトレティコでビッグイヤーを掲げることができれば、それはまさに夢の実現だろう。

 2人のスピードスターの対決が勝負のカギを握るUEFAチャンピオンズリーグ決勝のキックオフは、日本時間28日(土)27時45分。世界中がサンシーロのピッチに注目している。

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