[5.28 総体愛知県予選決勝リーグ第1節 名経大高蔵高 0-1 愛工大名電高 グリーングラウンド刈谷]

　今年の県新人戦で初タイトルを獲得した名経大高蔵高。初の全国切符を目指して臨んでいる総体予選は決勝リーグ初戦の黒星で苦しい展開となった。

　この日は立ち上がりの失点後になかなかギアが上がらず。似たスタイルである愛工大名電高にボールを握られる時間が増えてしまい、なかなか攻撃に時間を割くことができなかった。その中で島井雅也監督が「マジメだし、チームのためにやれる」という2年生の司令塔・MF牛尾颯太やMF暮石佑星(3年)のボランチコンビを中心に反撃。プレーエリア広い牛尾颯が守備面で奮闘する一方、正確なパスを通し、また敵陣PA近くまで動いて攻撃を牽引するなど1点を目指した。

　前半32分には攻撃のキーマンでもある牛尾ツインズの弟、MF牛尾竣太(2年)を投入。GK新田峻也(2年)や長身CB橋爪耀平(3年)ら安定した守備陣に支えられた後半には力強いキープと推進力を持ち味とする10番FW石原大輝を投入して反撃を強めた。そして意表を突いた1タッチパスやループパスなどアイディアある攻撃を見せたほか、CB田中雄羽(3年)が積極的に攻撃参加するなど押し返したものの、相手の守りも堅く、攻め切ることができない。終盤にはMF吉田悠人主将(3年)の突破などからセットプレーの回数を増やすことには成功したものの、最後までゴールは遠く0-1で敗れてしまった。

　痛い黒星スタートで全国切符を獲得するためには残り2試合での連勝が必要となった。それでも近年、県リーグで着実に順位を上げて今年、チームの歴史を変えて「チームとして一歩前進」(島井監督)しているチームが全国に近づいてきていることは間違いない。刈谷高、中京大中京高と強豪との対決が続くが、台頭中の新鋭は諦めずに戦い、壁を打ち破る。

[写真]牛尾颯太(左)、牛尾竣太(右)を中心に反撃した名経大高蔵だったが、1点に泣いた

(取材・文　吉田太郎)

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