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[MOM1784]静岡学園GK山ノ井拓己(3年)_後半ATから出場のJ注目GK、“さすが”の存在感でPK勝利導く

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.29 総体静岡県予選準決勝 飛龍高 0-0(PK4-5)静岡学園高 アイスタ]

 “主役”はアディショナルタイム突入後の後半41分からピッチに立った。そして期待通りにPK戦で勝負強さを発揮。静岡学園高を決勝へ導いた。

 静岡学園はこの日、1年時から先発を務めるJ注目の日本高校選抜候補GK山ノ井拓己(3年)ではなく、G大阪ジュニアユース出身のGK田原智司(3年)を先発起用。コーチングや技術面などを特長とするもうひとりの実力派GK田原とのローテーション起用をすることによってGK同士が競争し、より高め合う狙いがあるが、その中で田原は期待通りの安定したパフォーマンスを見せて無失点で山ノ井に決勝進出の希望を託した。
 
 後半半ば過ぎから準備を始めた山ノ井はPK戦で5人目のキックを左へ跳んでセーブ。「(チームメートにゆとりを持たせるために)もっと早く止めたかった」と首を振ったが、止めたあとも集中力を切らさない。味方が失敗して6人目に突入しても、平常心を保ったままゴールマウスの前に立ち、その存在感で相手6人目のキックを外させた。そのGKについて川口修監督も賞賛。「(一番良かったのは)やっぱり山ノ井。存在感を出していた」

 田原との競争は1年生チームにいた頃から熾烈。ハイレベルなライバルの存在に重圧も感じていた。だが「ライバルだけど意識し過ぎない。田原を意識しすぎてもボクのプレーが良くなるわけではない」と自分自身が成長することに集中。互いに認め合って高め合うことで成長のスピードを加速させている。そしてこの日は1年時から高く評価されてきた勝負強さを発揮。ピッチに立ったのはわずかな時間だけだったが、“さすが”の存在感でその力もしっかりと実証してチームを決勝へ導いた。

「夏の全国に行ったことがない。スカウトに多く見てもらう機会。決勝は自分が出て、優勝して全国へ行きたい」。今年のU-19日本代表入りを目標に掲げる山ノ井だが、2月の日本高校選抜候補合宿をインフルエンザで辞退し、アピールのチャンスを逃している。それだけに何が何でも全国舞台に立ち、全国で勝つことで必ず自身の存在を印象づける。 

(取材・文 吉田太郎)
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