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[総体]守備面の課題露呈・・・名門・四中工は執念の同点弾も延長戦で屈す:三重

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[5.30 総体三重県予選決勝 四日市中央工高 2-3(延長)三重高 三重交通Gスポーツの杜 鈴鹿]

 一度失った流れを取り戻しながらも痛恨の失点。四日市中央工高は勝たなければいけないゲーム展開で勝ち切れずに、予選敗退となった。樋口士郎監督は「カウンター即失点みたいになっている。我慢できないんです」と無念さを滲ませていた。

 試合開始2分に直接FKを決められて先制点を献上。先制パンチを食らいながらも徐々に立て直し、流れのいい時間帯だった32分に相手オウンゴールで同点に追いついた。だが、後半開始直後に相手の速攻にあって勝ち越し点を奪われてしまう。その後は交代出場のFW村上涼(3年)の高さも活かして反撃。同点ゴールかと思われたシーンがオフサイドの判定で取り消されても地道に攻め続けたチームは3分間が提示されたアディショナルタイムのラストプレーに奇跡を起こす。右スローインからボールを受けたMF寺尾憲祐(3年)が中央へ運びながらスルーパス。これに反応したFW小川幹太(3年)がGKとの1対1を制して同点ゴールを流しこんだ。

 劇的な一撃で蘇った四中工は延長戦で一気に勝ち越し点を目指す。だが、その前半10分、敵陣でのCKから一気にカウンターを受けると、2人でゴール前まで運ばれて失点。ここ3試合で7失点目を喫したチームは再び追いつくことができなかった。

 樋口監督は特に個々の守備面について指摘。ファーストDFとセカンドDFの距離が遠く、相手に自由を与えてしまっている点を問題視した。そして「理にかなった守備ができていない。ウチは意図的な守備やフィジカル、スタミナ、攻守の切り替えと言ったところで勝負してきたチーム。そのレベルが低いです」。三重で頭一つ抜けた存在となり続けてきた四中工。今年も寺尾や小川、FW野呂彦士(3年)、MF藤井渉(3年)ら印象的な選手を擁しており、この日も決して三重に劣っていた訳ではない。だが。他チームに大きな差をつけることができていないのも確か。指揮官が「(守備含めて)県内では違いを見せるくらいに」と奮起を求めた寺尾や個々が意識を高め、課題を必ず改善し、挑戦者として臨む秋に必ず頂点に立つ。

[写真]四中工期待の寺尾は同点ゴールをアシストしたが・・・

(取材・文 吉田太郎)
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