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[MOM1790]履正社DF清翼空(3年)_「陰で支える選手も絶対大事」“目立たないCB”がゲーム支配した70分間

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.4 総体大阪府予選決勝リーグ第2節 東海大仰星高 0-1 履正社高 J-GREEN堺]

「ボクは目立たない選手だと思う。そこで『しっかり効いている』とか思ってもらえるように意識している。目立つ選手もいれば、陰で支える選手も絶対大事だと思うので、ボクもしっかり働きたいと思います」。本人も認めるように派手なプレーで目立つような選手ではない。抜群のスピードがある訳でもない。それでも、東海大仰星高との試合で履正社高CB清翼空(3年)は間違いなく欠かせない存在だった。

 ピンチを未然に封じる動きは前半から際立っていた。前線に入ってくる浮き球、スペースへのボールでも常に相手より動き出し速く対応。ポジショニング良く頭で弾き、インターセプトして味方の攻撃に繋げた。特に後半は相手がいい形で持ち込んだクロスをニアで足に当て、10分の決定的な折り返しは身体を張ってブロックした。またGKがわずかにファンブルしたボールに誰より速く反応してクリア。セカンドボールを拾われて苦しい展開となった試合だが、その中でキャプテンマークを巻いた“目立たないCB”はゲームを支配するような、印象的な活躍で完封勝利をもたらした。

「ボク自身はあまり能力が高くないので。相手の目線だったり、狙いだったり、考えて、予測して動くようにしている。味方と協力しないと守備っていうのはできない。ボクは一人で取れる選手ではない。FWが動いてくれるから取れたりするので、声掛けだったりを意識しています」という。圧倒的な身体能力を持っている訳ではない。だからこそ、判断を止めることなく相手よりも一歩先んじた動きを続けてチームを救っている。それでも、この日は空中戦で競り負けるシーンが幾度かあり、「まだまだやと思いますし、修正していきたい」と気を引き締めていた。

 昨年は絶対的な守備の柱だったDF安田拡斗主将の隣でプレー。「ほんとにめちゃくちゃ信頼できて、頼りになる先輩。ゲームの流れを読んで行動するとか、予測は教えてもらっている部分だった。少しは活かせていると思う」。先輩から学んだ部分をピッチで表現。現在は他のCBを育てるという役割も担いながら、先輩のように頼りになる存在となっている。そしてチームは4試合連続の1点差勝利で全国へ王手。“効いているCB”がチームを陰から支えて、また白星をもたらす。 

(取材・文 吉田太郎)
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