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[MOM1792]尚志FW渡部公平(3年)_レワンドフスキを目指すエースが「スーパーなターン」から値千金の先制点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.3 総体福島県予選準決勝 尚志高 4-0 学法石川高 鳥見山多目的広場]

 前線で体を張りつつ、時に柔軟なテクニックも見せる。高校総体福島県予選準決勝・学法石川高戦での決勝点は、そんな尚志高FW渡部公平の真骨頂だった。

 ほとんどチャンスらしいチャンスを作れずに迎えていた前半29分だった。浮き球のボールを足下に受けながらのクイックターン。「相手をかわすワンタッチ目から完璧だった」と本人が胸を張り、仲村浩二監督も「あのターンは本当にスーパーだった」と手放しで称えるプレーから先制点を奪い取り、そしてこれは試合の決勝点ともなった。

「あの1点は本当に大きかった。助かった」とDF常盤悠が振り返ったように、試合の流れを作る一発。「ターンからのシュートはずっと練習してきた」と言う満足感はあったはずだが、本人は「後半にもっと取れた」とあえて自分に苦言を呈する。「9番を背負っているのにリーグ戦でも思ったように取れていない(7試合4得点)。もっともっとやらないといけない」と課題を口にした。

 ライバルとして競い合うFW小林真冬が交代出場でゴールを決めたことも刺激にしている。「タイプ的に同じだし、(ボールを)収める力があるし、動き出しも上手い。自分も負けてられないと思って練習してきた」と言う。あこがれのストライカー像はポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)。「どんな形からでも点が取れるし、ターンからのシュートもすごく上手い」とイメージを重ねながら練習を積み重ねている。

 東京都のクラブチーム「TAMA CITY UNITED FC」の出身だが、元々父方の祖父が福島県に在住しており、いわばルーツに戻る形での尚志進学だった。最終学年を迎えた今年は、エースストライカーを意味する「9番」にふさわしい得点を積み上げて、「全国制覇」の夢をかなえることを目指す。

(取材・文 川端暁彦)
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