beacon

2失点にうつむく麻也「同じことを繰り返してしまった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.7 キリン杯決勝 日本1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ 吹田S]

 一瞬の隙が命取りになる。先制点からわずか1分後に追いつかれ、相手の選手交代直後にリスタートから2失点目。日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)は「1点目も2点目も締めないといけないところ」と悔やみ、「こないだも得点した直後に失点した。同じことを繰り返してしまった」とうつむいた。

 3日の準決勝・ブルガリア戦(7-2)も6-0と大量リードを奪った直後に1点を返されるなど2失点。ハリルホジッチ監督はこの日の会見で「『点を取ったあとの5分間は気を付けろ』とミーティングで言ったばかりだった」と厳しい口調で苦言を呈したが、2試合で4失点のディフェンスは明らかに課題を残した。

 特にこの日は198cmの長身FWミラン・ジュリッチの対応に苦慮した。シンプルなロングボールから前線で起点をつくられ、結局、ジュリッチ自身に2点を決められた。吉田は「日本はああいう選手に苦戦を強いられることが多い。そこをどう対応するか、改善しないといけない。オーストラリアもそうだし、(中東のチームで)帰化した選手が出てくるかもしれない。これは最終予選でも起こり得ること」と指摘する。

 とはいえ、課題克服は簡単ではない。「一番難しいのは、そういう選手と戦う機会が少ないということ。アジアのチームには大差で勝てるけど、欧州とやると、力の差が出る。でも、予選はアジアとしか戦えない」。アジアで戦うジレンマを語る吉田は「そういう現実的な問題はあるけど、各々のチームで改善するしかない」と言い聞かせた。

「無駄なファウルを与えないとか、ロングボールを蹴らせないとか、そこが今日は立ち上がりからできなかった。学ぶことはたくさんあったし、これを教訓にしないといけない。最後のところで競り勝つことも大事だけど、その回数を10回から7回、8回に減らすことで、(競り負ける)確率も下がる。そういうボールを出させないことも技術の一つだと思う」

 W杯アジア最終予選前最後の強化試合であらためて浮き彫りになった課題。そのことを前向きに受け止め、この日の敗戦を糧にしていくしかない。

(取材・文 西山紘平)

TOP