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優勝争いは混沌…鹿島4連勝で首位川崎Fと1差をキープ、浦和は2試合未消化も首位と7差に

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[6.11 J1第1ステージ第15節 浦和0-2鹿島 埼玉]

 暫定3位浦和レッズはホームで暫定2位鹿島アントラーズと対戦し、0-2で敗れた。リーグ戦は3試合連続の無得点となり、これで3戦勝ちなし(2分1敗)。11試合ぶり今季2敗目を喫し、この日勝った首位川崎Fとの勝ち点差は「7」に広がった。浦和は2試合消化試合が少ないが、未消化分の2試合に勝っても追いつけないだけの勝ち点差がついた。

 浦和は前節・鳥栖戦(0-0)から先発一人を変更。MF関根貴大がベンチスタートとなり、MF梅崎司が4試合ぶりに先発した。鹿島はDF西大伍、トゥーロン国際大会から戻ったU-23日本代表DF植田直通の2人が3試合ぶりに先発復帰。それ以外は前節・甲府戦(4-0)から変わらなかった。[スタメン&布陣はコチラ]

 立ち上がりは鹿島がセットプレーからチャンスをつくる。前半4分、PA左手前からMF小笠原満男が右足で直接狙うが、ゴール上へ。同5分には小笠原の左CKにファーサイドのMFカイオが頭で合わせたが、外側のサイドネットだった。ボールポゼッションを高める浦和は前半14分、梅崎の右クロスにFW興梠慎三が頭で合わせたが、枠外。同19分には右クロスのセカンドボールを拾った梅崎がPA手前からループシュートを狙うも、クロスバーを越えた。

 なかなか決定機をつくれない浦和は次第に判定に対する苛立ちも募らせていく。この日は審判交流プログラムでオーストラリアサッカー連盟から派遣されたベンジャミン・ウィリアムズ主審が笛を吹いたが、前半25分、DF森脇良太が激しく異議を唱え、累積3枚目となるイエローカードを受けた。同32分にもアドバンテージを適用してもらいたい場面で笛が鳴り、FW李忠成らが不服をあらわにすると、同35分にはスローインの判定に対してペトロヴィッチ監督がピッチ内に入って抗議するシーンがあった。

 徐々に流れが鹿島に傾いたか、アウェーチームが立て続けにビッグチャンスを迎える。前半37分、MF遠藤康の右クロスにカイオがアクロバティックな右足ボレーで合わせるが、ここはGK西川周作が好セーブ。同40分にはドリブルでPA内に切れ込んだFW金崎夢生のシュートが左ポストを直撃し、跳ね返りに遠藤が詰めたが、左足のシュートは枠を捉えられなかった。さらに前半アディショナルタイム、遠藤の右クロスに金崎がヘディングで合わせたが、またも右ポストに当たり、跳ね返りを西川がキャッチした。

 前半はスコアレスで折り返したが、後半7分、ついに鹿島が先制点を奪う。自陣で浦和MF宇賀神友弥の横パスをカットしたカイオがそのままドリブルで持ち上がり、右サイドに展開。MF柴崎岳のグラウンダーのクロスに金崎が飛び込み、右足で押し込んだ。

 金崎の2戦連発となる今季8ゴール目でリードを奪った鹿島。対する浦和は後半13分、失点につながるミスを犯した宇賀神がドリブルで左サイドを縦に突破し、マイナスに折り返す。MF武藤雄樹の左足シュートはDFのブロックに阻まれ、こぼれ球に詰めた梅崎のシュートもDFの体を張ったディフェンスに跳ね返された。その直後には2人を同時交代。宇賀神、梅崎を下げ、関根とMF駒井善成を投入した。

 必死の反撃に出る浦和だが、後半22分、森脇の右クロスに合わせた武藤のヘディングシュートはゴール上へ。同24分には李に代えてFWズラタンを投入し、最後のカードを切った。怒涛の波状攻撃で鹿島を押し込む浦和。後半32分にはGK曽ヶ端準が前に出てきたところを駒井が右足のループシュートで狙ったが、惜しくもクロスバーに弾かれる。終盤は猛攻に出たが、1点の遠い浦和。逆に鹿島は後半40分、途中出場のMF鈴木優磨がPA内で駒井に倒され、PKを獲得すると、鈴木が自ら決めて2-0と勝利を決定づけた。

 2-0の完封勝利をおさめた鹿島はこれで4連勝。7試合負けなし(5勝2分)とし、消化試合が2試合多いとはいえ、浦和との勝ち点差を「6」に広げた。首位・川崎Fとは勝ち点1差をキープ。残り2試合(浦和は残り4試合)となり、優勝争いは混沌としてきた。

(取材・文 西山紘平)

●[J1]第1ステージ第15節 スコア速報

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