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[関東]“東京五輪世代”のルーキー前期総括:GK上田とGKオビが奮闘中、FW浮田&MF旗手が4得点

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 第90回関東大学リーグ1部の前期・最終節である第11節が11、12日に各地で行われた。前期リーグを終え、首位には明治大が立っている。第11節までに選手登録された1年生は69人。そのうちの39名がデビューした。得点を記録した選手は9名。2020年に控える東京五輪への出場資格を持つ世代が各々の場所で奮闘している。

 最多の4得点を挙げているのは順天堂大のFW浮田健誠(1年=柏U-18)とMF旗手怜央(1年=静岡学園高)。浮田は開幕から第11節まで全試合で先発起用されている。第2節で初得点を挙げると、そこから4得点3アシストの活躍。

「新人賞というのは、インパクトを残せるものだと思うので狙っていきたいです」という言葉を実現させるため、結果を残し続けている。後半30分過ぎの交代が多く、フル出場は2試合のみだが、ピッチ上で自身の持つ力をしっかりと注ぎ込んでいる。

 また旗手は開幕戦にベンチ入りするも出番はなかったが、第2、3節で途中出場すると第4節から第11節まで先発出場。ここまで4得点1アシストの活躍で、チームメイトの浮田といい刺激を与え合っている印象だ。

 1年生のフィールドプレイヤーのなかで、もっとも出場時間が長いのは順天堂大のDF村松航太(1年=清水ユース)。開幕戦から不動のCBとしてプレーを続けている。初戦こそ後半36分に交代したが、その後はフルタイム出場。順大を後方から支えている。

 なお、今季はGK陣が豊作の年ともいえる。流通経済大のGKオビ・パウエル・オビンナ(1年=JFAアカデミー福島)と慶應義塾大GK上田朝都(1年=横浜FMユース)は開幕から全試合でゴールマウスを守っている。

 その他にも国士舘大のGK脇野敦至(1年=東福岡高)が第10、11節と出場し始めているほか、桐蔭横浜大のGK児玉潤(1年=東京Vユース)は第8節のみ先発した。

 1年生GKたちは互いについて「あまり気にしていない」と口を揃えつつも、オビが「同じ世代として、他のGKの選手がいるチームより、いい順位にいないといけないし、失点も少なくないといけない」と話したのに同調するように、上田も「やっぱり失点はどこよりも少なくさせないといけない」と責任感をのぞかせる。今後4年間かけて切磋琢磨していくGK陣。良きライバル関係は互いを成長させるはずだ。

 また専修大ではMF氣田亮真(1年=千葉U-18)の活躍が光る。第3節で先発デビューし、初得点も記録。2節連続先発の後、初めて途中出場での起用となった第5節では1得点1アシストした。その後は2戦連続先発したが、第7節・明治大戦で消極的なプレーをみせたことから、指揮官から叱責される。その後の3試合では先発から離れていたが、前期最終節で4戦ぶりにスタメン復帰。ゴールを決め、計3得点1アシストとした。ここからの活躍が期待されるルーキーの一人だ。

 流通経済大の中野雄二監督が「1年生はそろそろ疲れが見えてくる時期。緊張感ある時期が過ぎて、今からがまた難しい時になる」と話すように、前期リーグ中盤は20名近くの1年生が、より長い時間プレーしていたが、前期最終節での先発は11名に留まり、各々のプレー時間も長くなかった。

 大学サッカーに慣れ始めた、ここからがまた勝負。今月25日からは総理大臣杯の関東予選にあたるアミノバイタルカップが始まる。全国切符のかかるトーナメント戦で、躍動みせるルーキーはいるのか。前期リーグ戦でデビューを逃した1年生が悔しさを胸に活躍をみせるかもしれない。新鋭たちの奮闘ぶりに期待がかかる。

■ルーキー得点ランキング
▽1位:4得点
浮田健誠(順天堂大)
旗手怜央(順天堂大)
▽3位:3得点
氣田亮真(専修大)
▽4位:2得点
岸晃司(専修大)

■アシストランキング
▽1位:3アシスト
浮田健誠(順天堂大)
▽2位:2アシスト
加藤潤(筑波大)

■出場時間ランキング
▽1位:990分
オビ・パウエル・オビンナ(流通経済大)
上田朝都(慶應義塾大)
▽3位:981分
村松航太(順天堂大)
▽4位:853分
浮田健誠(順天堂大)
▽5位:810分
本村武揚(流通経済大)
▽6位:746分
眞鍋旭輝(桐蔭横浜大)
▽7位:741分
旗手怜央(順天堂大)
▽8位:630分
星キョーワァン(駒澤大)
▽9位:530分
西村慧祐(専修大)
▽10位:511分
加藤潤(筑波大)

[写真]活躍が目立っている順大FW浮田

(取材・文 片岡涼)
●第90回関東大学1部L特集

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