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[MOM1806]横浜創英DF市原亮太(3年)_桐光封じた最終ラインの長身コントロールタワー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.18 総体神奈川県予選準決勝 桐光学園高 1-2 横浜創英高 等々力]

 優勝争いの大本命・桐光学園高撃破を果たして掴んだ全国切符。横浜創英高の宮澤崇史監督は悩みぬいた末に、勝利の立て役者としてCB市原亮太主将(3年)の名を挙げた。桐光学園の強力攻撃陣相手に「流れの中で点を与えなかったのは大きい」と指揮官。攻撃的なチームである横浜創英を最終ラインで支え、また両足からのフィードやショートパスでの組み立てなどコントロールタワーの役割も担ったCBの存在はチームにとって間違いなく大きかった。

 前半は押し込まれながらもシュートを打たせず、ポゼッションでのミスからオウンゴールで失点した後も「自分たちが低い位置から繋げば、1失点くらいはすると言っていた」と引きずらなかった。そして前半アディショナルタイムには自ら右足PKを決めてスコアを振り出しに戻す。攻め手が少ない中、みんなで奪ったPK。「あれ外していたら厳しかったんで入って良かったです」という市原だが、後半12分に再び得たPKのチャンスは止められてしまう。痛恨の失敗となってしまったが、仲間に助けられて勝ち越すと最後まで集中した守り。「(桐光学園の選手は)フィジカルが強かったんで2人、3人で囲んだりとか、常に止まらずに。とりあえず走りました。オウンゴールしてしまったけれど崩された失点はなかったのでそこは良かった」と納得の守りで全国進出を決めた。

 本人は判断良いカバーリングや180cm超の長身を活かしたヘッドなどの守備面よりも攻撃面にこだわりがある。この日はポゼッションを貫くことが困難と見るや、ややシンプルにロングボールを入れることも織り交ぜた攻撃で立て直したが「ボク的には高さ(を活かした守備)よりも組み立て。パスやロングフィードをもっとやれたかなと思っています」と反省。最終ラインでゲームをコントロールすることができなかったことを悔しがっていた。守備だけでなく、攻撃面でも勝利に繋がるプレーをすること。両方を果たしてはじめてチームに貢献したと胸を張ることができる。

 中学時代はボランチ。好きな選手も元イングランド代表MFのスティーブン・ジェラードを挙げる。だが、将来もCBとして勝負していく覚悟。「最近のCBは守備だけじゃなくてゲームを組み立てる選手が必要と本読んだり、聞いたりするので後ろから組み立てる選手に」。まずは「行ったことないんで楽しみ」という全国舞台で自分の現在の実力を確認する。

(取材・文 吉田太郎)
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