beacon

[総体]エース、千葉決勝で復活!流経大柏FW中村翼が延長後半終了間際に劇的V弾!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.21 総体千葉県予選決勝 市立船橋高 0-1(延長)流通経済大柏高 柏の葉]

 一時Bチーム降格も経験したエースが流通経済大柏高を千葉の頂点へ導いた。0-0で突入した延長戦の後半アディショナルタイム、流経大柏は相手のロングボールをCB関川郁万(1年)が頭で跳ね返す。ライナー性のボールとなった跳ね返しが抜けたところへ誰よりも速く反応したのがFW中村翼(3年)。トップスピードで一気にゴールへ迫った中村はGKを右側からかわすと、角度のない位置から右足シュートをゴールへねじ込んだ。

 大興奮の味方ベンチへ駆け寄った背番号9は本田裕一郎監督と抱擁。下級生時から先発起用されるなど期待の存在だった中村だが、今春はなかなか結果が出ずにBチーム降格も味わった。今大会もこれまでPKによる1得点のみで、この日はベンチスタート。それでも「きょうは絶対に決めてやろうと。『オマエが決めて来い』とどのスタッフからも言われていた」というFWが実力を証明する素晴らしい決勝点を決めた。「怒ってばかりだった」という指揮官も目を細めるプレー。鮮やかな復活ゴールによってエースはヒーローとなった。

 この日はいずれも頑張りのきくFW古谷三国(3年)とFW河西守生(3年)が前線の位置で先発。中村は「流経は前から追うことを求められる。自分は走ることができていない」と認めるが、走力、守備面の強化など課題にも取り組み、強化してきた部分をこの日もピッチで発揮していた。献身的な守備など役割をしっかりと果たしつつ、「自分が決める」と思い続けたFWに訪れた1チャンス。それを見事に仕留めた。

 全国大会ではまずゴールを決めてチームの勝利に貢献すること。そして得点ランキングにも名を連ねる。この日は値千金のゴールを決めたが、チームの期待値を考えるとまだまだ少ない。「日本一目指して頑張っていきたい」と言い切ったFWがこれから、ゴールでさらなる信頼を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2016

TOP