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[U-16インターナショナルドリームカップ]最後方からの“下克上”!U-16日本代表は4か月ぶり招集のFW棚橋が「逞しく」2発!

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[6.22 U-16インターナショナルドリームカップ第1節 U-16日本代表 4-1 U-16ハンガリー代表 鳥取市営]

 最後方からの“下克上”だ。U-16日本代表のFW棚橋尭士(横浜FMユース)は昨年のU-15日本代表の常連のひとりでAFC U-16選手権予選などに出場しているが、今年は2月の候補合宿に招集されたのみ。今回は4か月ぶりとなる復帰だったが「FWでは一番最後だと思うので、結果残さないと次呼ばれないと思う」と決意をもって大会に臨んだFWが結果を残した。

 まずは前半12分、カットインしたFW中村敬斗(三菱養和SCユース)から流れてきたボールをPAでコントロールすると、GKの位置をよく確認してから左足シュートをゴールへ沈める。「相手の足が長いというのは分かっていたのでトラップ大きめにして、GKと駆け引きして逆を突くのが得意なので、そこは逆を突いて決められたので良かったです」。アピールを誓っていた棚橋がチームの今大会ファーストゴールを決めた。

 この後もスペースへの抜け出しやこぼれ球に頭から飛び込むなど非常に意欲的なプレー。36分にゴールエリアのこぼれ球に反応したシーンでは枠を外し、また41分には決定機で右足シュートを左ポストに当ててしまうなど2点目が遠かった。それでもこの日誰よりも多いシュート8本を放ったFWは後半アディショナルタイムにポストの跳ね返りを左足で押し込んで2点目。「2点目がすごく取りたかった。こぼれ球でもどんどん反応していこうと思っていた。最後のボールも予測したので。最後決められて良かったです」と笑顔だった。

 自分が代表復帰するために足りないものを考えてきた。「他のFWと比べてボール収めるのが前はあまり得意じゃなかったですし、ゴール前まで切れ込んでも自分の力でシュートまで持っていく力が足りなかった」。それでもクラブで上級生とプレーする中で徐々に身体の強い相手でもボールを収めることができるようになってきた。そして結果にこだわるFWは何より、代表に入りたい、残りたいという気迫をピッチで表現。森山佳郎監督も「逞しく、ずっと入っていた選手よりもいい刺激になっている」と賞賛していた。

 本人は「チームの攻撃の活性化させることと、チームが苦しい時間に点を取ること。まだ足りない」と厳しい。代表メンバー争いがどれほど厳しいのか知っている。だからこそ、チームメートの中村が今大会の得点王宣言をしたことを聞くと、「負けられない。他のFWと競争していきたい」。今大会、最後方から上を目指す棚橋がU-16代表の他のFWたちを上回る結果を残す。

[写真]前半12分、U-16日本代表はFW棚橋が先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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