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完全復活目指すU-23代表DF室屋、国内ラストマッチに向けて「すべてを賭ける」

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[6.26 J3第14節 F東京23 1-0 盛岡 味フィ西]

 完全復活に向けて一歩ずつ歩を進めている。FC東京U-23の一員としてJ3リーグ第14節グルージャ盛岡戦に先発出場を果たしたDF室屋成は、右SBの位置に入るとタッチライン際で激しい上下動を続けて存在感をアピール。前半16分には先制点を演出した。

 右サイドを駆け上がった室屋はMF野澤英之のスルーパスからPA内に進入すると、鋭く切れ込んでシュートまで持ち込む。GK土井康平に当たって勢いが弱まったボールは、ゴールマウスに向かっていたものの、FWユ・インスが押し込んで先制点が生まれた。「触ってほしくなかったですけどね」と笑った室屋だが、後半22分までプレーした自身のパフォーマンスには手応えを感じている。

「攻撃面の特長を出していきたいと思っていたので、そういう部分を今日は出せた。ケガをする前と比べると今はすぐに息が上がったりするけど、ホンマに一試合一試合良くなっているので、コンディションを戻していければいいと思う」

 今年1月のAFC U-23選手権(リオデジャネイロ五輪アジア最終予選)では5試合で先発フル出場。粘り強い守備で相手攻撃を封じ込めるだけでなく、機を心得た攻撃参加からの正確なクロスで攻撃面でも存在感を示し、チームのリオ五輪出場権獲得、アジアチャンピオンに大きく貢献した。

 しかし、帰国後の2月11日にFC東京でのトレーニング中に左足を負傷。19日には手術を受け、全治3か月を要する見込みと発表されていた。負傷直後は「落ち込んだし、不安もあった」。そして、U-23日本代表が毎月のように行う活動の場に、自身が参加できなかったことで、「できるだけ気にしないようにしようと思っていたけど、それでも気にしちゃう自分もいた」と悔しさがあったという。

 だが、「たくさんの人が支えてくれたおかげで最後の合宿に間に合うことができた」と、リオ五輪前国内ラストマッチとなるU-23南アフリカ代表戦に臨むU-23日本代表に選出を果たした。最終予選以来の代表復帰となるが、「最後の選考なので、その1回のチャンスをモノにしなければいけない。今一番目の前にある目標が五輪なので、メンバーに入るために南アフリカ戦にすべてを賭けるつもりでやっていきたい」とサバイバルレースを勝ち抜き、リオ行きの切符を手に入れようと闘志を燃やしている。

(取材・文 折戸岳彦)
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