beacon

[U-16インターナショナルドリームカップ]個の向上誓うU-16代表選手たち、世界トップを意識して日常過ごす

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.26 U-16インターナショナルドリームカップ第3節 U-16日本代表 6-0 U-16メキシコ代表 鳥取市営]

 6月22日から26日まで鳥取市で開催された「U-16インターナショナルドリームカップ2016 JAPAN Presented by JFA」に出場したU-16日本代表の選手たちは個の成長の必要性を改めて感じた。
 
 ハンガリーとの初戦とメキシコとの最終戦はいずれもシュート28本を放って快勝。最終ライン、中盤から何本も縦パスが入り、連係や個人技で相手の最終ラインを攻略し、FWがDFの背後のスペースを取って決定機をつくり出した。2人、3人が束になった守備をしてボールを奪い取ることもできていた。

 だが、15年U-17W杯2位のマリに対しては球際の攻防で優位に立つことができず、また終盤まで迫力あるプレッシングを貫いた相手の前にパスを何度もインターセプトされ、出しどころを失って消極的な攻撃になってしまった。特に後半は立ち上がりに1本放った後、40分間に渡ってシュートを打たせてもらえずに力負け。1人の中央突破に3人がかわされて同点ゴールを許し、直後に奪われた決勝ゴールも一発のワンツーであっさりと打開されてから失ったものだった。

 今大会、最終ラインで攻守において存在感を示していたCB菅原由勢(名古屋U18)は「組織力は向上してきていると思うので、個の部分。フィジカルだったり、止めて蹴る、見るところだったり、原点のところを見つめ直してやらないといけないと思う」と語り、メキシコ戦ではボランチの位置から持ち味の飛び出しを連発してゴールも奪ったMF福岡慎平主将(京都U-18)も「世界と戦うにはフィジカルとか個を上げていかないと感じました」と語った。

 森山佳郎監督が「ほとんど何もやらせてもらえなかったという経験」をさせてもらえたことは前向きに捉えるべきだ。マリのような世界トップレベルに追いつき、倒すという目標ができた。日本の目標は9月のAFC U-16選手権インド2016(U-17W杯アジア最終予選)を制し、世界で舞うこと。指揮官も「そこ(世界トップのチーム)に挑戦して倒していくくらいの力をつけていかないと世界の上位にいけない」と語る。

 その中で高校1年生の福岡は日常からより意識高く取り組む決意。「1年生からボク自身引っ張っていかないといけない」。所属する京都U-18では上級生の後ろをついて行くだけではなく、チームの先頭に立つくらいの意気込みで取り組んでいく。「(マリ戦は)球際激しくいこうと思ったんですけど、行っても相手の方がパワー強くて取れなかったので身体を強くしていかないといけない。(そして)パス、コントロールの質。ズレたら(確実に)マリは寄ってくる。高めたい」。今大会で世界トップクラスを体感した選手たちは、強敵を想定してトレーニングを重ね、まずは個の部分で世界との差を詰める。

[写真]前半18分、U-16日本代表はMF福岡(左端)が頭で2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)

TOP