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U-23代表“10番”矢島が「最初に言っておきたいのは…」

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 毎回メンバーに残るために必死にやってきた。その結果、チーム発足から2年半メンバーに選出され続け、背番号10も与えられた。だからこそ、U-23日本代表MF矢島慎也(岡山)は、「今回も必死にやるだけ。与えられたチャンスの中で自分を出せるかが大事」と変わらぬスタンスで、国内ラストマッチとなるU-23南アフリカ戦に臨もうとしている。

 手倉森ジャパン初陣となった14年1月のAFC U-22選手権メンバーに選出された矢島は、その後もメンバーに名を連ね、同年9月のアジア大会、15年3月のリオデジャネイロ五輪アジア一次予選、そして16年1月の五輪最終予選と大事な大会でプレーを続けてきた。16年3月のポルトガル遠征では負傷以外で初めてメンバーから外れたものの、手倉森誠監督は「矢島の力は分かっている」とその実力を十分に評価しての選外だと説明した。

 FW中島翔哉(FC東京)が負傷離脱中の今年5月ガーナ戦、続くトゥーロン国際大会では10番を託された。そして、中島が復帰した南アフリカ戦でも「翔哉がいなかったときに矢島が10番を背負って良い仕事をしてくれた。今の時点では矢島が10番」(手倉森監督)と変わらず、背番号10を背負うことになった。

 10番を背負うことに関して本人は、「最初に言っておきたいのは、テグさん(手倉森監督)が10番をくれたというのは、信頼してくれていると思っているので、まずはその期待に応えないといけない」と話す。10番を与えられたことで、メンバーに選出し続けてくれた指揮官の信頼を、より感じられるようになった。その期待に応えることこそが、自分のやるべきことだと強調。

 そして、チーム発足当初から10番を背負い続け、プレッシャーとも戦ってきた中島こそが、エースナンバーをつけるべきだとした。「この世代の10番はずっと翔哉が背負ってきたものだから、翔哉が一番似合うと個人的には思っている。翔哉は10番タイプの選手だし、生活のすべてをサッカーに捧げているような選手なので、ふさわしいと思う」。中島はというと、「ヤジ君(矢島)はすごくうまいし、一緒にプレーしていて楽しい選手。僕は背番号にこだわりはない」と話しているが、矢島は「最後は監督が決めることですが、俺の方がこだわってないですよ」と笑った。

 背番号にこだわりはない。しかし、五輪出場にはこだわりを示す。「この代の代表が始まってからずっと目標にしてきた。五輪に向けて頑張ってきたので、出たい気持ちはやっぱりある」。今までどおりのプレーを見せて、手倉森ジャパン最後の活動となるリオ五輪本大会のメンバー入りを目指す。

(取材・文 折戸岳彦)

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