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U-23日本vsU-23南アフリカ 試合後の手倉森監督会見要旨

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[6.29 キリンチャレンジ杯2016 U-23日本代表 4-1 U-23南アフリカ代表 松本平]

 U-23日本代表は29日、リオデジャネイロ五輪本大会前の国内ラストマッチとなるキリンチャレンジ杯2016でU-23南アフリカ代表と対戦し、4-1の快勝を収めた。

以下、手倉森監督会見要旨

手倉森誠監督
「この世代だけでの強化試合で、成長とこれからの可能性を示そうという話をして。ゲームの入り、身体能力の高い南アフリカに少し冷や汗をかかされたシーンが続いたんですけど、相手のストロングをしっかり受け止めてウィークを探りながら、ゲームを進めていったコントロール力というのが良かったなと。前半のうちに逆転できたところというのも、失点で相手が怯んだときに畳み掛けたというあたり、ゲームの流れを読みながらゲームをできるようになったなと、そこに成長を感じています。ゲームを通して復帰組主体にメンバーを出し入れした。メンバー選考へのラストチャンスだという意味合い。皆、申し分なく期待に応えてくれました。ゲームは4-1という完勝をして、晴れ晴れしい結果だったんですけど、何か自分の気持ちだけが晴れないというね(笑)、そんな今の状況です。国内最後の強化試合で、これだけ多くのファンが来てくれて、その期待に応えられて良かったし、逆にこういった期待と注目が高まることで、またこの世代は成長できるんだなと感じられたので、サッカーをやるほうも観るほうも日本の国を盛り上げようというような共闘ができればいいなと。良い雰囲気を作ってくれたサポーターに感謝したいと思います」

――先発フル出場して2得点を挙げた中島選手の評価をお願いします。
「普段、本当に試合に出ていないんだろうかという(笑)。本当に様子を見たくて、まず先発させました。切れ味もあるし、好調だったのでね。日頃90分やれていないと、ひざの痛みから癒えた状態で、どれくらい持つのだろうかというトライもできた状況だったので、90分使いました。それは室屋も一緒なんですけど。あと彼らが連戦に耐え抜くくらいのコンディションを、向上させて維持できるかというところは、こっちが勝手に計算してあげないといけないだろうなと思います」

――中島選手と10番を争う矢島選手も結果を出した。競争心が最終選考の場で良い形で相乗効果に出て、チームのまとまりが出たと思うが。
「この世代で育まれてきたものは、まず強みとするのはチームのまとまりだと。それは最後までやり続けようという話はした。本当に正しい競争が、この世代にはあって、本当にポジティブな競争、まあ、今日(中島に)10番を与えなかったのは良かったなと、良いマネジメントだったなと。本当にどの大会でも彼ら2人は絡んできて、やってくれている中で、ゲームを決定付けられる仕事というのは、矢島もものすごく伸びたなと思うし、翔哉は相変わらずここに来ると結果を出す奴なんだなと。本当、良い競争の中から自分は選ぶことになるという話をチーム全体に今してきた。だからこそハイレベルなグループができあがるだろうと。託す側と託される側に分かれるだけで、決して落とされたり外されたりという話じゃないという話をしてきました。まさに今、特に今日の21人というのは、本当に良い存在感を発揮してくれたなと思います。託す側になった選手はね、ここからはA代表を目指すだけだという言葉をかけてきました。本当、将来の日本サッカーの可能性、希望というのを皆さんもこの世代からね、見出してくれればなと思います」

――前半の25分くらいまでのプレーについて。
「あの25分間の入り方をしていたら、本大会では厳しいだろうなと思いながら見ていましたね。だけど、あれがそう長く続かないのはサッカーではありがちなので。あそこをしっかり、ああいうもんだという割り切りでしのいで、先制点を取れるようになればね、いや取れるようにならなければいけないと思います、本大会では。だけど、握られている中で握り返すのではなく、決定機を作り返すというね、その作業が今日は良かったのかなと思います。ただ、その決定機を作るまでにね、最初の方は単発だったですけど。1回作った後に、2回目3回目と続けられたことはね、良いところなんです。ゲームの入り方は少し、本大会に対して修正していかなければいけないだろうなと思います」

――「僕だけが気持ちが晴れない」と言ったのは競争のレベルが高くなり、選手を落とさなければいけない寂しい気持ちに。また、五輪初戦のナイジェリア戦に向けて必要だと思うこと。
「ここで本当に18人を選ばなければいけないという作業がね、今日の試合が終わったところで、またより厳しい決断をしなければいけないという状況。この世代、自分は余裕を振りまきながらね、肩に力を入れないようにニコニコしてやって来ましたけど、ここからちょっと厳しい顔にならないといけないなと(笑)。そんなことです。

 ここからの強化としてはスピードとパワーとコンビネーションというのを、もっともっと高めないといけない。オーバーエイジで入ってくる選手たちとのすり合わせ、やるサッカーに対してのメリハリというのはね、ブラジルに行ってから高めていかないといけないだろうなと。環境への適応力というのも、少し向こう行ってからイメージさせないといけないだろうと思っています。よりメリハリを付けなければいけないサッカーというのが求められると思うし、今日の入り方では泡を食ってしまう。最初にこちらが仕掛けられる準備をしながら、コントロールしていけるような準備というのが必要になってくると思います」

――明後日の発表、現時点でサプライズは。
「いや、僕がここに来て、こんなに大きく悩んでいる状況で記者会見するとは思っていなかった。それがサプライズです」


●リオデジャネイロ五輪特集

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