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まずは“守備”…ブレない手倉森監督「後ろを万全にしておきたかった」

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 リオデジャネイロ五輪代表を率いる手倉森誠監督は1日、五輪代表メンバーを発表した。18人と限られたメンバー構成の中で、指揮官は「後ろを万全にしたかった」と説明。18人の内訳はGK2人、DF6人、MF7人、FW3人で、DFとMFのポジションの内訳を細かく見るとCB3人、SB3人、ボランチ4人、サイドハーフ3人となっており、後方のポジションに人数を割いていることが分かる。

 そして、そこには手倉森監督の曲がらぬ信念があった。最終予選中に「我々はディフェンスから構築してきたチーム。派手に勝てるチームではない」と話していたように、手倉森ジャパンにとって守備は生命線だ。五輪本大会では「必ず押し込まれ、守らなければならない状況が続くと6割方思っている」と劣勢に立たされることを予想。だからこそ、「SB、CB、ボランチを厚くするために、ボランチを4枚にした。遠藤は後ろをどこでもやれるし、塩谷はサイドもできる。複数ポジションをこなせる選手を後ろに置いて、後ろを万全にしておきたかった」と守備の駒を多く用意したと説明する。

 一方でサイドハーフ3人、FW3人と攻撃の駒は少ないものの、「前は少数精鋭。チャンスも少数かもしれないので、小さな穴を大きな穴にしていく。そこを突ける選手をそろえたつもり」と多く訪れないであろうチャンスを得点に結び付られる精鋭をそろえたと話した。

 さらに、FWでは最終予選メンバーのFW鈴木武蔵(新潟)、FWオナイウ阿道(千葉)がリオ行きの切符を逃したように、「高さも十分でなさそうだと、お分かりだと思う」(手倉森監督)。FWとして招集されたFW興梠慎三(浦和)は175センチ、FW久保裕也は178センチ、FW浅野拓磨(広島)は171センチと全員が180センチ以下というだけでなく、MF登録の選手にも180センチを超える選手は一人もいない。しかし、「高さを準備して、高さだけ用意することも少し是正しないといけない。日本の強みはおそらく“速さ”だなと。そこを十分考慮してメンバーを構成した」と日本らしさを武器に相手ゴールに迫ろうとする考えを明かした。

(取材・文 折戸岳彦)

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