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[MOM1813]横浜FMユースMF椿直起(1年)_ハマの新星ドリブラー、観衆沸かせて1G1A

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.2 高円宮杯プレミアリーグEAST第7節 横浜FMユース 3-2 FC東京U-18 保土ヶ谷]

 横浜F・マリノスユースの松橋力蔵監督は個々の視野の狭さや「観客を『オッ』と驚かせるような」プレーがチーム全体的に物足りないことを指摘していたが、その中で期待値込みで評価していたのが1年生MF椿直起だ。横浜FMユース、同トップチームで10番を背負い、欧州へ渡ったFW小野裕二に次ぐ存在という声もある横河武蔵野FCジュニアユース(現東京武蔵野FC U-15)出身の16歳。第4節の清水ユース戦で先発デビューしたMFはこの日、個で同点ゴールを奪い取り、決勝点をアシストするなど左サイドで躍動した。

 前半は思うようなプレーができなかったというが、それでもスピードで縦に抜けることもできていた。「マリノスユースで自分の良さ出せなかったらここに来ている意味がない。失敗して『あー』となっていたら檄も飛ぶんで、ミスを逆に取り返すつもりで」失敗してもくじけることなく、仕掛けを繰り返した背番号42が後半8分にファインゴールを決める。

ファーストタッチでDF1人を振り切った椿は左中間からゴール方向へ向かうと、縦への動きでCBを置き去りに。そしてGKとの1対1からトゥーキックで同点ゴールを流しこんだ。「ドリブルは上手く言ったんですけどシュートは自分のイメージ通りではないです」と笑ったが、観衆を沸かせ、「オッ」と思わせるに十分のゴール。タッチライン際まで駆け寄ったサブ組たちにも祝福された一撃によってチームを勢いづけたMFはさらに30分、MF川原田湧(3年)とのワンツーで左サイドを深く切れこむと、ラストパスをMF山田康太(2年)へ通して決勝点となるゴールをアシストした。

「自分の間合いつくれば縦に行ける自信がある、相手を自分の間合いに寄せておいて、そこで行くようにしている」という椿。スピード勝負のドリブルでも相手を苦しめていた印象だが、あえてスピードダウンしてDFを自分の間合いにおびき寄せてから瞬時の速さで抜き去るなど、狡猾な動きも武器に存在感を示し、1ゴール1アシストも記録して勝利に貢献した。

 主将の右SB常本佳吾(3年)も練習でマッチアップする1年生アタッカーを「面白い」と認める。「紅白戦とかとやる中で去年は(現トップチームでU-19代表MFの遠藤)渓太くんとやっていた。今年は椿で結構面白い。(彼は)個人でも打開できる」。昨年、日本クラブユース選手権でMVPを獲得し、トップチームに駆け上がったMF遠藤渓太の左MFの後釜に食い込んでいる外部から加入した1年生。椿は「まだまだドリブル縦切れば止められると思われていると思うので、縦も、中にも行けて、パスもそれで出せれば。何やられるか分からないような選手になりたいですね」。強豪対決でヒーローとなった新星ドリブラーは年代別日本代表入り、トップ昇格目指して成長を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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