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横浜FC津田と徳島長谷川…名古屋U18からの直系が公式戦初対峙「あの人がいなければ」

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[7.10 J2第22節 横浜FC0-2徳島 ニッパツ]

 昨季まで所属した古巣徳島ヴォルティスとの一戦。今季より横浜FCでプレーするFW津田知宏はこの日はベンチからのスタートとなっていた。出番は後半14分。FW三浦知良に代わっての出場となった。

 相手ゴールマウスを守っていたのは、GK長谷川徹だった。津田は持ち前の気持ちを前面に出すプレーで、長谷川が守るゴールに向かって猛突進。後半31分には津田が本当に長谷川にぶつかっていく場面もあったほどだった。

「あの人がいなければ、僕はサッカーをやっていないと言ってもいいくらい。それだけ自分に影響を与えてくれた人なんです」

 長谷川にとって津田は、徳島時代だけでなく、その前の名古屋、そして名古屋U18と同系譜をたどる直系の関係になる。名古屋U18時代、吉田麻也主将を筆頭にタレント軍団の守護神だった長谷川だが、2学年上の津田は常に憧れであり続けた。

 長谷川がサッカーの道から外れようとした時にも引き戻してくれたのは津田だった。「いろいろ話をしてくれた。その背中を見るだけでも身近に感じて、目標としてきた選手。普段からプライベートでもお世話になっているんです」。

 そんな津田との公式戦初対峙。「練習中から一緒のチームにいるとやられたくない存在だった」という津田にゴールを決めさせるわけにはいかなかった。

 5月の対戦時には長谷川が出場しなかったために、対決は実現しなかったが、今回は一週間前から無料通話アプリ「LINE」を通じてエール交換。完封勝利に長谷川は、「抑えたことが大きい。やられたら後で何を言われるかわからないし」といたずらっぽく笑った。

 津田も素直に後輩の成長を認めた。チームが負けたことで、「サポーターの皆さんの期待にチームの結果がついていけていないので、すごく申し訳ない」と多くを語ろうとはしなかったが、長谷川について問われると、「堂々とゴールマウスを守っていた」と感心。

 そして「すごく立ち振る舞いというか、言動も含め成長しているなと思う。初めて試合で向き合う形になりましたけど、徳島としては頼もしい存在なのかなと思う」と目を細めていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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