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2度目のPKも冷静だった俊輔、家本主審の蹴り直し判定は「想定内」

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[7.13 J1第2ステージ第3節 横浜FM3-2神戸 ニッパツ]

 ピッチ上のだれよりも落ち着いていた。1-2と横浜F・マリノスが1点ビハインドで迎えた後半39分のPKのチャンス。同点に追いつく絶好機でキッカーを務めたMF中村俊輔は冷静にGKキム・スンギュの逆を突き、ゴール左へ流し込んだ。

 ところが、中村が蹴る前に横浜FMの選手がPA内に侵入していたとして家本政明主審はキックのやり直しを指示。すると中村は笑みを浮かべ、抗議するチームメイトをなだめるようにして再びボールをセットした。

「中町さんがフライングしたらしい」。蹴り直しの理由をそう語った中村は「家本さんが狙っていたかのように、指を差して笑っていた。想定内です」と、まったく動じなかった。

 2本目のキックは、1本目とは逆のゴール右に蹴った。「2本目は読まれてもいいから、自分の間合いで蹴った。あの距離なら決めないといけない」。実際に方向はキム・スンギュに読まれていたが、鋭いコースに蹴り込んだキックはGKの指先を抜け、ゴール右隅に突き刺さった。

「韓国代表というのは分かっていたし、いいキーパーだった。キックも蹴れるし、リーチも長い」。そう相手を称えた俊輔。PKを決めたあともボールを拾いに行くのではなく、ピッチに倒れていたキム・スンギュを自らの手で引き起こしたのは、2度の駆け引きの中で何か通じ合うものがあったからなのかもしれない。

(取材・文 西山紘平)

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