beacon

[国際ユースサッカーin新潟]GK若原PK阻止後に堀、田川が連続ゴール!紙一重の攻防戦をU-17日本代表が制す!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.16 国際ユースサッカーin新潟第1節 U-17日本代表 2-0 U-17メキシコ代表 スポアイランド聖籠]

 日本、メキシコ、クロアチアのU-17代表チームとU-17新潟選抜が総当りのリーグ戦で優勝を争う「第20回国際ユースサッカーin新潟」が16日、開幕。元日本代表MFの山口素弘監督率いるU-17日本代表はU-17メキシコ代表と対戦し、MF堀研太(横浜FMユース)とFW田川亨介(鳥栖U-18)のゴールによって2-0で勝った。U-17日本代表は17日に同じく初戦勝利のU-17クロアチア代表と戦う。

 U-17日本代表は来年、19年U-20W杯へ向けたAFC U-19選手権1次予選を戦う99年生まれ以降の世代。もちろん、20歳や21歳で迎える20年東京五輪への出場資格もある。山口監督は2年後、プロに駆け上がるであろう選手たちに対し、4年後の東京五輪、6年後のW杯へ向けて「今から高い意識を持ってほしい」と伝えたという。ポルトガル代表MFレナト・サンチェスは18歳EURO決勝に出場した。世界の同世代に刺激を受けて、より高いステージに視野を向けて成長して欲しいというメッセージ。選手たちは2世代上のU-19日本代表の内山篤}監督も視察した試合でアピールと勝利を目指した。

 この日の先発はGKが若原智哉(京都U-18)で4バックは右SB石原広教(湘南ユース)、CBがゲーム主将の中川創(柏U-18)と入間川景太(甲府U-18)、左SB桧山悠也(市立船橋高)。中盤は井澤春輝(浦和ユース)と小林真鷹(FC東京U-18)を中央に右MFが堀、左MFが藤本寛也(東京Vユース)、前線には中島元彦(C大阪U-18)と田川が並んだ。

 山口監督が「半々ですね」と口にしたように、試合の中で対応できた部分もあれば、対応に時間のかかった部分もある。シュート数で大きく上回りながらも相手GKビクトル・アルカラス(グアダラハラ)の好守の前になかなかスコアを動かすことができなかった。それでもGK若原のビッグセーブもあって先制点を許さなかった日本は後半、“鮮やか過ぎる”ゴールも飛び出して強敵・メキシコを撃破。連覇へ向けて好スタートを切った。

 立ち上がりから相手をプッシュした日本は2分に藤本のグラウンダ―の左足シュートがゴールを捉え、7分には右サイドで粘った堀の左足シュートが左ポストをかすめる。また相手の背後を突く攻撃によって中島、田川が上手く相手CBと入れ替わるなど攻勢だった日本は11分にも混戦から縦に抜け出した小林が決定的な左足シュートを打ち込んだ。

 だが、序盤やや高い位置でボールを失っていたメキシコも最終ライン、GKを活用したポゼッションでボールを握る時間を増やす。山口監督が「球際でぐっと来る。踏ん張り切れないところもあった」というように球際の攻防で競り負けるシーンの増えた日本は、攻撃面でもサポートが遅く、相手のプレスに慌ててミスパスをしてしまうなどリズムを掴むことができない。加えて相手の右MFハイロ・トーレス(アトラス)の力強い突破に苦しんだ日本はここから決定機をつくられ、ポストに救われるシーンもあった。日本もバイタルエリアまでボールを運んだ際には2トップがギャップを突く動きからシュートまで持ち込んだが、メキシコも勝負の際の部分で譲らない。38分、日本はCK後の混戦から連続シュートを放つがメキシコDFが身体を張ってブロックすると、逆に42分にはトーレスの決定的な左足シュートを若原が止めるなど紙一重の攻防が続いた。

 日本は後半開始から桧山と中島に代えてボランチに村田聖樹(川崎F U-18)、左MFに椿直起(横浜FMユース)を投入。井澤をCB、入間川を左SB、藤本を右SHへ移した。後半は相手のサイド攻撃に上手く蓋をしていた日本だが、11分に右CK後のハンドでPKを献上。だが、FWロベルト・デラローサ(パチューカ)の右足シュートを読み切った若原が右へ跳んでストップする。日本は16分に右手を負傷した入間川が藤松航矢(鳥栖U-18)と交代するアクシデントもあったが、不運も乗り越える強さを示した。

 18分、日本は左スローインを起点に4人、5人が関わる鮮やかな崩し。左サイドから中央へのパスを受けた藤本が田川とのダイレクトのワンツーでPAへ侵入すると、最後は折り返しを堀が左足ダイレクトでゴールへ沈めてスコアを動かした。会場が大いに沸いたファインゴール。これで先制した日本はさらに23分、堀の右CKを田川がDFの頭上から放った打点高いヘッドでゴール左サイドネットへ沈めて2-0とする。この後、右MFに渡井理己(静岡学園高)とCBに青山夕祐(名古屋U18)を投入した日本は追加点こそ奪うことができなかったものの、終盤にも若原が好セーブを見せるなど相手にも得点を許さずに快勝した。

 6月のインターナショナルドリームカップではU-16日本代表がU-16マリ代表に力負け。15年U-17W杯準優勝の強国に球際の攻防で圧倒された。だが、山口監督は「球際、身体の違いだけで片付けたくない」と口にする。判断の速さ、精度で剥がすこともできたはず。トータル的にレベルを上げることにこだわっていかなければならない。若原は「ボクタチの年代も五輪に入っている。そこを目指して練習していかないと世代の代表にも選ばれないし、上の代表にも選ばれない。今、一番目標にしなければいけないのは五輪だと思うので、意識していかないといけない」。U-17日本代表は今年、アジア、世界での公式戦はない。だが、この国際ユースin新潟で優勝して、貴重な3試合を4年後、6年後に繋げる。

[写真]後半23分、U-17日本代表は田川がヘディングシュートを決めて2-0

(取材・文 吉田太郎)

TOP