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C大阪MF丸岡満を兄に持つ、近畿大MF丸岡悟の野心…「兄貴よりも上に」

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[7.16 大学選抜合同選考会 中央大G]

 いつの日か先を行く兄を追い抜くつもりでいる。近畿大のMF丸岡悟(1年=C大阪U-18)は16日に行われたU-19全日本大学選抜選考会に参加。プレー時間は30分と少なかったものの、ルーキーらしからぬフィジカルとタフさを垣間見せた。

 セレッソ大阪のMF丸岡満を兄に持つ悟。C大阪U-18からトップ昇格を目指すも叶わず。近畿大へ進学した。関西学生リーグでは開幕戦・桃山学院大戦で早くも先発すると、大学デビュー戦で得点も記録。前期リーグを終えて、7戦3得点を挙げている。

 大学で上々なスタートを切ったかに思われたが、前期を振り返ると「全然物足りない。もっとやれるかなと思う」と険しい表情。「1年目からレギュラーでチームのキーマンになっているところをイメージしていた。まだまだキーマンにはなってない」と悔しさをのぞかせた。

 自身は物足りなさがあったようだが、リーグ戦での奮闘ぶりは認められ、U-19全日本大学選抜選考会へ招集。この日は全日本大学選抜戦は出場がなく、2本目の関東大学選抜戦で途中出場し、約30分のみのプレーだったが持ち味はみせた。2列目左へ入り、果敢にドリブルで仕掛けたほか、相手の3年生と競り合ってもブレない身体の強さを示した。

 選考会を終えたMFは「30分でも自分の特徴を出そうと思いました。フィジカルの面ではまだ勝てていた部分もありましたけど、FWとの連携ではあまりコミュニケーションはできなかったので、もっと良くしていきたい。味方との距離が遠かった」と反省を口にした。

 個人での突破で持ち味はみせたものの、味方とのコンビネーション不足を露呈し、せっかくボールを奪っても味方につなげず、奪い返されるシーンもあったことが反省につながったようだ。

 下部組織からのトップ昇格は叶わなかったが、近畿大に進学した今でも、C大阪トップチームでプレーすることが夢であるのは変わらない。「今年中に特別指定選手になり、セレッソでも試合に出て。一早くプロ契約したい。大学でも全日本大学選抜にも選ばれて、どんどん上を目指していきたい」と言う通りだ。再び古巣へ戻り、プレーする日を待ち望んでいる。

 2歳上の兄・満とは仲が良く、今でも週に3度は一緒にいると話す。それぞれ一人暮らししている家が近いといい、「向こうから来ることはないんですけど、いつもご飯とかに連れて行ってもらいます」と笑って話した。

 いつの日かC大阪のトップチームで丸岡兄弟が揃ってプレーする日はやってくるのか。兄弟ともに楽しみにしているようだが、それについて直接口に出して話したことはないという。

 しかし、弟は「それはもちろんやりたいと思いますよ」と明かした上で、「向こう(満)も全然言わないですけど、お互いにやりたいとは思っていると思う。それに僕には直接言わないですけど、高校時代とかは(弟とプレーしたいと)周りに言っていたというのは聞いたので」と少し嬉しそうに話した。

 過去ドルトムントにも所属したMFを兄に持つという宿命。“丸岡満の弟”といわれることに、抵抗があるかと思いきや、悟は「抵抗はないですね。それで得している部分があると思うので、嫌ではないです」と気丈に話す。

 それでもいつの日か2歳上の兄を超える日を誓っている。「もちろん兄貴よりも上にいきたいとは思うし、いけるとも思っている」と野心を隠さなかった。

 桜色のユニフォームへ再び袖を通す日。丸岡兄弟でピッチに立つときがやってくると信じて、悟は近畿大での日々を送っている。一回りも二回りも大きくなり、必ずや古巣へ戻るつもりだ。

(取材・文 片岡涼)

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