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弱点克服を誓って立命館大進学、阪南大高出身ルーキーDF小松拓幹の決心

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[7.16 大学選抜合同選考会 中央大G]

 自らの弱点を克服することを最優先に進路を選んだ。阪南大高で全国高校選手権初出場に貢献したDF小松拓幹(1年=阪南大高)だが、今春から立命館大へ進学。インカレ準Vの阪南大へ、そのまま進むのではなく、外へ出て成長すると強く誓って進路を決めた。

「自分はビルドアップとかが苦手で。立命館はグラウンダーでパスをつなぐというのをやっていて、自分に足りないところは何かと考えたときに、ビルドアップとかだった。そこを身に着けることができればと、立命館にきました」

 しかし立命館大では厳しい日々が待っていた。開幕前から好調子をキープし、Aチーム入りを果たしたものの、前半戦での公式戦出場はゼロ。関西選手権ではベンチ入りしたが出番はなかった。

「まだまだです。ビルドアップとか全然できていないし、みんなのレベルが本当に高いので」と唇を噛んだDFは「(入学当初)初めは結構良くて、Aチームに入れてもらったんですが。最近は先輩を前に萎縮してしまっているのかな」と振り返った。

 試合に出るためには、守備の要・DF池松大騎(4年=京都U-18)を越える必要がある。先輩の池松について「壁は本当に高いです。(池松さんは)上手いですし、安定感がすごい」と尊敬の眼差しを送ったルーキーは「でも本当にたくさん指導してくれるのでありがたいんです。ボールをつなぐときの位置が悪いとか、よく言ってくれるので勉強してます」と言う。日々の練習のなかでも先輩から多くを吸収している。

 大学1年目の前半戦で公式戦出場はない状況だったが、16日に行われたU-19全日本大学選抜選考会には選出された。1本目、2本目ともにCBとしてプレー。持ち前の高さみせただけでなく、守備範囲の広さを示した。

 また瞬時に相手FWの前へ身体を入れては、柔らかくボールを奪取。裏へのパスを果敢にカットしては、攻撃の芽を摘んだ。奪ったあとのつなぎでワンテンポ遅れるシーンもあったが、しっかりとアピールを果たしてみせた。

 選考会を終えたDFは「自分の力試しと思って今日はやりました。もっとやれた部分はあったと思う。くさびとかが、しんどい時に雑になっていたので、そこをもっと突き詰めていきたい」と課題を口にする。

 高さで強さをみせたDFだが、まだまだルーキー故に線の細さも目立つ。向上心を奥底に抱える小松は「まだまだ187cmで70kgで細いので。もっとウエイトをつけていかないと、トップではできない。そこはやりたいと思います」と上を見据えた。

「今後はまずは立命館大でレギュラーに。壁は厚いですけど、挑戦していきたい。それからですね、選抜は」。大器の予感をさせるCBは、冷静に自らの現在地を見据える。一歩ずつ、一歩ずつ、まずは目前の壁を越える。

(取材・文 片岡涼)

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