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「どんな絵にも映るプレーを」市立船橋のナンバー10、MF高宇洋

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 全国高校総体優勝8回の名門・市立船橋高の10番は今年、ボランチを務めるMF高宇洋が背負う。高いフィニッシュ能力や攻撃センスを武器に1年時から先発を務めてきたアタッカーは3年生を迎え、ボランチへ転向。悩みながらも着実にそのプレーの幅を広げ、持ち味も発揮しながらチームに勝利をもたらす存在へと変わってきた。その高に夏の全国大会へ向けて、また普段の練習の取り組み、意識について聞いた。

●MF高宇洋
―市立船橋のトレーニングについて教えてください
「シーズンによって練習メニューは違います。1月、2月、3月の公式戦のない時期にフィジカルトレーニングを重点的にやっていて、『トラック』っていう走りがあってキツイんですけど、全員の基礎体力が上がって、市船の運動量、切り替えの源になってくる。グラウンド1面くらいの長さでコーンを置いて、4周×4と3周×4と2周×4と1周×4をインターバル走みたいに走るんですけど、それが相当キツくて。市船の運動量とか活動量に繋がるトレーニングだと思います。自分もそれで走る力が身につきました」

―チームとしてルーティーンのトレーニングがあると思うが、個人はどう磨いている?
「シーズン中だと相手によって戦術練習が変わる。監督や自分たちも相手のビデオ見て、分析して、相手がどういうフォーメーションだからどうしていこうと。サッカー理解の部分は自然と磨かれていったと思う。その中でボール受ける、ターンとか基礎技術のレベルを自分の中では常にこだわっているので、常に意識しながら上手くなっていければと思っています。あと、プレミアの開幕5週が終わってインターハイ予選までの1か月くらいはチームの課題のゴール前の質というところで最後シュートまで行くプレーだったり、個人の質の部分を上げることを意識してきた」

―それぞれ高い意識を持っているが、Bチームからいきなり上がってきた選手とは差もあると思う。その中でどう目的意識を高めている?
「普段から自分たちでミーティングとかするので、そういう時に全員の意志確認をしたりしています。あと、去年から経験している選手が多いので、自分とか、杉岡とかでどんどん上に引っ張っていかないといけないと考えています」

―特に自分たちのモチベーションとなっているものは何?
「去年、インハイも、プレミアも、選手権も全部悔しいところで終わったので、杉岡と負けて話したのが、『もう負けたくない』ということです。経験活かして日本一獲りたいと思っているので、もっといいチームにしなければいけないと思っています」

―個人としても上のレベルへ進むための日常
「将来的にプロとかでやりたいと思っているので、こういうところからしっかりと、『他と違ったな』と思われないといけない。プレーでも、人としての行動でも常に先頭切っていけるくらいじゃないといけないと思っている」

―日本一のトレーニングを積むことはできている?
「まだまだですね。監督が練習中にも結構指摘するんで。究極を言ったら、監督が言う前に自分たちで修正していけるくらいのトレーニングレベルにすれば、また1段階2段階強くなると思っている」

―個人としてはボランチに定着して新しい挑戦がスタートしている
「今年からやって、色々と守備のバランスとか、攻撃行くタイミングとか、ビルドアップとか去年とは色々違う感じで見えてきた。監督からも『攻守両面で常に関わり続けろ』と言われている。『攻守に置いてどんな絵にもオマエが映るプレーをしろ』と言われている。ビルドアップだったら常に最終ラインと関わりながら前に供給していく。守備でもボール奪うところでしっかりサイドへスライドする運動量や奪い切る力を持ってやらないといけない。その中で、最後ボランチだとしても前に出て行って、アシストとか点につながっていくプレーを増やしていかないといけない」

―誰よりも持っているゴール決めたい気持ちとバランスが難しいのでは?
「最初新チームになってからも、第1クールのプレミアでもそれが強くて結構前に上がってしまっていて。後ろのバランスとかをずっと監督にも言われていました。自分で整理できなくて、監督に自分から相談した時期もあったんですけど。去年とポジションが違って、ボランチとして自分に求められることがある。インターハイ予選では後ろのリスクマネージメントや1試合の中でいつ前に出て行くかとか、そういう整理ができてきてボランチとしての怖さを身につけることができてきていると思う」

―確かに整理されて、勝負どころで決めるという部分も上手く出しつつある
「ボランチとして黒子の役割というか、後ろでビルドアップに関わって、前見て後ろ見ながら空いているポジション埋めてリスクマネージメントしたりとか、目立たないところで関わったりしていると思うんですけど、大事なところは逃さないというか、隙を逃さないことはしていきたい」

―ここからちょっと怖さ増すぞと
「ボランチで相手の要注意人物と思われるくらい、攻撃の起点になっていて、守備でも相手の攻撃の芽を潰して、かつ最後の攻撃のところで結果を出していく。全部のところを求められていると思う。自分としては、あんまりパッとした特長がないと思っているので、全部のパロメーターを大きくしていければいいかなと思っています」

―もっと知名度上げてもいいと思うが、そこは全国での活躍が必要
「身近に杉岡という存在もいるので、勝手なんですけど自分はライバルと。杉岡は代表とか、高校選抜とか行って注目されていますけれども、自分は負けたくないと思っている。でも自分よがりになったらチームのバランスを崩してしまうので、そこのバランスは気にしつつ、プレミアとインハイ全国で自分の名を知らせたいです」

―プレミア、インターハイへ向けて
「結果とか考えすぎるなと監督にも言われているので、目の前の一戦一戦へ向けて、しっかりとした準備をして、100パーセント以上の準備をしていれば、自ずと結果はついてくると思っている。インハイは勢いが大事だと思っているので、連戦の中でチーム力とか総合力という部分で夏戦い抜ければいいと思っています」

―昨年、PKでも勝ち続けることの重要さを知った
「それは痛感している。去年2回もあったので。勝つことにこだわりたいなと思っています」

―手応えは
「周りからは良いチームとか、完成しているチームと言われていると思うんですけど、自分たちとしてはまだまだだなと。特にインハイ(予選)決勝の流経戦でそれが出た。波とかがあった時、ダメな時でも難しい勝負を拾えるような勝負強さが大事になってくると思う。そこにもこだわって突き抜けたチームにしたい」

―どこと戦いたい
「ヒガシ(東福岡)に勝って優勝したいです。あと、(慶應義塾の柿沼ら)小学校の頃から一緒にやっていたのでフロンターレ出身の選手が出てくると嬉しいですね」

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