beacon

奈良の思いは理解している…MF原川「ホッとする気持ちはなかった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 手倉森ジャパン発足からメンバーに名を連ね続けたMF原川力(川崎F)は、リオデジャネイロ五輪代表メンバーに選出された。選出された時の心境を振り返ると、「ホッとする気持ちはなく、選ばれたからにはやってやらないといけない気持ちが大きかった」。そこには『託す側』に回った仲間への思いがあった。

 今季京都から川崎Fに移籍加入した原川。同じように川崎Fに加入したDF奈良竜樹とはU-23代表のチームメイトであり、「一緒に行動する時間も多かった」。しかし、5月14日のJ1第1ステージ第12節神戸戦で負傷した奈良は、左脛骨骨折で全治4か月との診断を受けてしまう。その後、五輪出場に向けて回復に努めたが、五輪出場を断念せざるを得なくなった。

 だからこそ、原川は五輪メンバーに選出されたときも、「身近には奈良もいたので、自覚だったり、責任感だったり、そういう思いが本当に芽生えた」ようだ。

「奈良も本人が一番悔しい中で、素直におめでとうという言葉を掛けてくれた。その思いは理解しているし、ここに来ている選手皆が理解しているはずです。そういう思いが一つになったら、チームはもっと強くなる」

 『託される側』に回った選手たちは、『託す側』に回った選手の思いを背負い、ブラジルの地へと旅立つ。

(取材・文 折戸岳彦)

●リオデジャネイロ五輪特集

TOP