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[総体]自慢のサイド攻撃とセットプレーで圧倒、香川西が初出場の北照に8-0大勝

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[7.27 全国高校総体1回戦 北照高 0-8 香川西高 東広島運動公園陸上競技場]

 27日、平成28年度全国高校総体「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(男子)が広島県内で開幕した。1回戦23試合が行われ、北照高(北海道2)と四国学院大香川西高(香川)との一戦は8-0で香川西が快勝。2回戦へ進出した。

 両校のベンチからは序盤から「下繋げ!慣れるから」や「落ち着いてやろうや!」という声が飛んでいた。慌てて蹴ってしまったり、ボールサイドで譲りあってしまったり、互いに緊張が伝わってくるような試合内容。それでも香川西が「どことやってもやれると思う」(大浦恭敬監督)という自慢のサイド攻撃と多彩なセットプレーで圧倒していく。

 10分、FW西山颯人(3年)が右CKを左足でゴールエリアへ蹴りこむと、ファーサイドから飛び込んだMF砂川萌(3年)がポスト直撃のヘディングシュート。12分には同じく西山の右CKが再びファーサイドの砂川へと届く。足下に飛んできたボールを砂川が身をかがめながら頭でゴールへ押し込んで先制した。

 西山や15年U-16日本代表FW高木慎也(2年)がサイドのスペースへ抜け出してクロスを入れる香川西は、注目の2年生ドリブラー、本田功輝が素材感を示す。ストライドの大きなドリブルでGKをかわしながら決定的なラストパスを通したほか、DFを引きつけてから高速ステップとパワーで抜き去ろうとする。また序盤から香川西はスローインやCK、FKの強みを活かして決定機を連発。シュート精度を欠いて追加点を奪うことができずにいたが、それでも前半アディショナルタイムに2点目をもぎ取る。

 本田が左サイドでDF2人の間へ強引に入り込む突破からFKを獲得する。キッカーのMF蟹田悠平(3年)が相手の意表を突いてグラウンダーのボールを入れると、今度はニアサイドへ飛び込んだ砂川の足をかすめてそのままゴールイン(公式記録は蟹田のゴール)。2-0で前半を折り返した。

 初出場の北照も大黒柱のMF佐倉井玲音(3年)が中央で2度、3度と赤い壁を突破。前半終了間際には相手のミスもあってPAまで持ち込み、後半13分には前線の連係で完全に相手の守りを崩して左MF高橋諒(3年)がGKとの1対1から左足シュートを放ったが、香川西GK近藤雅紀(3年)のビッグセーブに阻まれてしまった。

 前半は大浦監督が「半分くらいしか力を出せていない」と首を振った香川西だが、後半一気に突き放す。14分に本田の左クロスからMF西村宙(2年)が頭で3点目。17分にも西村の右クロスに高木が体ごと飛び込んで4点目を奪う。さらに27分には抜け出した西山がGKとの1対1から左足で決めて5-0。32分にはPAでクリアボールを拾った蟹田が右足で6点目のゴールをぶち込んだ。そして34分にはFW広瀬詳大(2年)のラストパスを高木が右足で沈めて7点目。アディショナルタイムにもオウンゴールで8点目を挙げた。北照は主将のCB丹野脩斗(3年)を前線に上げて1点を目指してチャンスも作ったが、FW原田大也(2年)の決定的なシュートが外れるなど全国初ゴールは次回へ持ち越しとなった。

 選手権は07年から9年連続で出場している香川西だが、夏の全国は5年ぶり。大浦監督は「飛田と高木くらいしか全国を経験している選手がいない」と笑ったが、それでも荒削りながらも、魅力的なタレントも擁する香川西は侮ることのできない存在だ。2回戦では強豪・静岡学園高(静岡)と対戦。ベスト8を目標に掲げる香川西の蟹田は「(結果としては)いい形で終われた。でも、(シュートミスなど)きょうの試合みたいなことをしていたら負ける。取れるところでしっかりと取って勝ちたい」と力を込めた。

[写真]後半18分、香川西はU-16代表FW高木が決めて4-0。(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)
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