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「彼は簡単にやってくれた」 FW興梠、指揮官も舌巻く“吸収力”

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 ミーティング効果がいきなり現れた。26日午前中にオーバーエイジのみのミーティングが行われたが、リオデジャネイロ五輪代表FW興梠慎三(浦和)は手倉森誠監督の意図をくみ取り、すぐさま午後練習のピッチ上で表現した。

 最前線に入る興梠はミーティングでポジショニングを確認。「自分のチーム(浦和)では真ん中にいてほしいと要求がある」ものの、五輪代表では求められるものが違う。指揮官は「ギャップを作って使うことを表現したい」と伝えた。

 すると午後のフォーメーション練習で、興梠は手倉森監督の言葉を体現する。最前線の中央にポジションを固定するのではなく、展開によっては左右に動き、時には2トップを組むFW浅野拓磨(アーセナル)よりポジションを下げてボールを呼び込む。この興梠の動きによって相手CBの1人は釣り出されてギャップが生まれ、そのスペースを浅野が突こうとする場面も見られた。

「降りていくこととSBの裏に流れることをやってほしいという話をしたら、彼は簡単にそれをやってくれた」。要求した動きをすぐさま披露する興梠に、手倉森監督も舌を巻いた。

 最前線で存在感を示すだけでない。ランニング中にはチームの先頭を走り、選手だけの食事会を発案して実現させるなど、ピッチ内外で影響を与えている。19日の合流初日に「A代表と緊張感は一緒だけど、置かれている立場が違う。やらないといけない」と覚悟を決めていたチーム最年長は、チームを高みに導こうと奮闘を続ける。

(取材・文 折戸岳彦)

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